第69回ベルリン国際映画祭フォーラム部門
カリガリ賞(フォーラム部門・最高賞)受賞!
遠い未来から家族の遺品を見つめる
ドイツ百年、全5章218分の家族史
本作品は旧東ドイツ出身の映画監督トーマス・ハイゼの家族が19世紀後半から保管してきた
遺品(日記、手紙、写真など)を使い、ハイゼ家が歩んだ激動の百年を自らのモノローグで
3時間38分語る驚異的な作品である。
家族の遺品が伝える歴史は第一次世界大戦に始まり、ホロコーストによって引き裂かれた
家族の過去、熾烈を極めた空襲、戦後のシュタージ(秘密警察)による支配、そして、
ベルリンの壁崩壊後も終わらない戦争と分断に失望する東ドイツの人々の感情について語る。
引用に次ぐ引用——作中に積み重ねられた言葉は戦争証言にとどまらず、分断や差別、
言論の自由、ジェンダー論、そしてアイデンティティの問題など現代的なテーマに及ぶ。
ベルリンの壁崩壊から30年目に完成した21世紀映画史に名を刻む大作ドキュメンタリーの日本公開。
2019年/ドイツ、オーストリア映画/ドイツ語/218分
日本語字幕:吉川美奈子/協力:ゲーテ・インスティトゥート/配給:サニーフィルム
原題:Heimat ist ein Raum aus Zeit
監督・語り:トーマス・ハイゼ