【上映作品】
ヴィクトリア Victoria
2016年/フランス/97分
監督:ジュスティーヌ・トリエ
出演:ヴィルジニー・エフィラ、ヴァンサン・ラコスト、メルヴィル・プポー
弁護士で二人の娘の母であるヴィクトリアは、職業上でもプライベートにおいても危機的状況にさらされる。友人ヴァンサンの殺害未遂容疑の弁護を引き受けざるを得なくなり、元夫の小説の中でネタにされてしまい、おまけに以前担当した薬物事件の依頼人サムを住み込みのベビーシッターとして雇うことになり、挙句の果てに夫婦間の性生活はうまくいかない……。現代を生きる女性たちの迷走を活き活きと描いてみせるジュスティーヌ・トリエの長編2作目。メルヴィル・プポーは主人公ヴィクトリアの問題が多いながらどこか憎めない友人ヴァンサンを好演している。
メルヴィル・プポー Melvil Poupaud
1973年1月26日フランス・パリ生まれ。父親は映画プロデューサー、母親がキャスティングディレクターだったことから、子役として映画に出演。母がラウル・ルイス監督の『The Territory』の披露試写会に連れて行ったことで監督から注目され『海賊の町』(83)で映画デビュー。その後、ラウル・ルイス監督作とは遺作『ミステリーズ 運命のリスボン』(10)まで10本の作品に出演し、長年に及びタッグを組んだ。ジャック・ドワイヨン監督の『15才の少女』(88)でセザール賞有望若手男優賞にノミネートされた他、『愛人 ラ マン』(92)、『おせっかいな天使』(93)などで着実にキャリアを積む。エリック・ロメール監督の『夏物語』(96)の主人公ガスパールを演じ、世界中のシネフィルの記憶に残る俳優のひとりとなった。また、フランソワ・オゾン監督作『ぼくを葬る』(05)や『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』(19)、『Summer of 85』(20)などにも出演し、それぞれの作品で熱演を見せた。ゾーイ・カサベテス監督作『ブロークン・イングリッシュ』(07)、ウォシャウスキー兄弟(当時)監督のハリウッド大作『スピード・レーサー』(08)、アルノー・デプレシャン監督の『クリスマス・ストーリー』(08)、女性になりたい男性主人公ロランス役を演じたグザビエ・ドラン監督作『わたしはロランス』(12)、ロマン・ポランスキー監督作『オフィサー・アンド・スパイ』(19)など、監督の国籍・キャリアを問わず数多く参加し、独自のキャリアを積んでいる。ミュージシャンとしての活動もあり、自分の兄弟とバンドMUDを組んでいる。2002年にはソロアルバムもリリースしている。
協力:アンスティチュ・フランセ日本、ユニフランス