あれから10年__
サスペンス、ホラー、スリラーなどの映画的効果を巧みに駆使し
消費的娯楽から遠く離れ、現在社会における人間の深層に迫り、寄り添う。
篠崎誠監督が放つ“現在”の映画。不穏に、静謐に、スパークする
多様で地続きな3部作を、どうか見届けてください。
【上映作品】
あれから
2012年/日本/63分
監督・原案・脚本:篠崎誠
脚本:酒井善三 撮影:山田達也 照明:玉川直人 録音:臼井勝 音楽:柳下美恵
出演:竹厚 綾、礒部泰宏、太田美恵、木村知貴、川瀬陽太、杉浦千鶴子、伊沢磨紀
2011年3月11日。東日本を襲った大震災。その夜、東京郊外の靴屋に勤める祥子は被災地に暮らす恋人、正志と連絡がつかずにいた。余震が続くなか、ようやく通じた電話で、正志が心のバランスを崩して入院したことを家族から知らされる。すぐに駆けつけたいとの申し出も、「これを機に別れた方があなたのためでもある」と断られてしまう。容赦なく戻ってくる日常生活のなかで、いっそう彼への想いに“揺れる”祥子。そんな時、いるはずのない正志が目の前に現れる…。誰もが体験する大切な人との時間が映画ならではの様々な手法で折り込まれ、何層もの「あれから」が浮かび上がる。
SHARING
2014年/日本/111分
監督・脚本・編集:篠崎誠 脚本:酒井善三 撮影:秋山由樹 音楽:長嶌寛幸 編集:和泉陽光 美術:宮崎圭祐
出演:山田キヌヲ、樋井明日香、高橋隆大、木村知貴、河村竜也、兵藤公美、鈴木卓爾
東日本大震災の予知夢を見た人々を調査をしている、社会心理学教授の瑛子は、震災で死んだ恋人の夢を3年たった今も見続けていた。一方、同じ大学の演劇科に通う学生・薫は、卒業公演の稽古に追われている。ある時、311をテーマにしたその公演を巡って、仲間と衝突してしまう。薫もまたこの芝居をはじめてからある夢にうなされていた。夢と現実、真実と虚構が幾重にも混じりあい、東日本大震災と原発事故の不安を重層的に炙り出していく。
共想
2018年/日本/76分
監督:篠崎誠
出演:矢崎初音、柗下仁美、兵藤公美、櫻井保幸、大杉樹里杏、播磨誌織、村上春奈
東京都内の新興住宅地で暮らす幼馴染みの珠子と善美。2011年3月11日、珠子の誕生日に大震災が起きた。そのとき、ふたりの間に小さな齟齬が生まれる。それから数年、児童教育の研究に従事する珠子、舞台俳優として活動する善美は、ともに人生の岐路に立っていた。『あれから』『SHARING』につづいて篠崎誠が東日本大震災とその時を体験した人の精神性を見つめた最新作。