18年ぶりのダムタイプの新作として、国内外から高い関心と注目を集めたパフォーマンス作品「2020」の上映を行います。
本作はKYOTO STEAM―世界文化交流祭―2020のプログラムのひとつとして、2020年3月に上演予定でしたが、
新型コロナウイルス感染症感染拡大防止のため中止したパフォーマンス作品で、
無観客で収録、編集したものが2020年10月にロームシアター京都で限定公開されたものです。
2020年末に出町座で、あらためて上映を行う機会をいただきました。
現代の人間社会が直面する事象について、洞察と探求を繰り返した末に完成した本作は、時代の大転換期に生きる私たちに深い思考を促すでしょう。
ダムタイプ
池田亮司・大鹿展明・尾﨑 聡・白木 良・砂山典子・高谷史郎・高谷桜子・田中真由美・泊 博雅
濱 哲史・原 摩利彦・平井優子・藤本隆行・古舘 健・薮内美佐子・アオイヤマダ・山中 透・吉本有輝子
宣伝美術:南琢也
プロフィール
dumb type
1984年に結成。ヴィジュアル・アート、映像、コンピューター・プログラミング、音楽、ダンスなど、様々な分野の複数のアーティストによって構成される。京都を活動の拠点とし、プロジェクト毎に参加メンバーが変化して制作される作品は、既成のジャンルにとらわれない、あらゆる表現の形態を横断するマルチメディア・アートとして国内外で発表されている。2018年にポンピドゥー・センター・メッス(フランス)で個展「DUMB TYPE: ACTIONS + REFLEXIONS」を開催、2019年には新作やアーカイブを加えてバージョンアップした展覧会が東京都現代美術館にて開催された。2022年に予定されている第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の日本館出品作家に選出されている。
上映会に寄せて
久しぶりに京都で新作パフォーマンス制作の機会を与えられ、再びメンバーが集合し共同制作に取り組んだことは大きなチャレンジでした。1984年の活動開始以来、私たちは、特定のディレクターを置かず参加メンバー全員がフラットな関係において共同で作品を創造するという独自のスタイルで活動を続けてきました。参加者全員のコラボレーションとは、全員が等しく作品制作にコミットするということであり、その制作プロセスにおいては、互いのコミュニケーションが非常に重要となります。
制作を開始した2018年には、現在のような未知のウィルスの感染が世界中に拡大するというような状況は予想していませんでしたが、約1年半にわたるクリエイション期間中には、人間社会が直面する様々な事象(グローバリゼーション、SNS、超高度情報化社会、監視社会、AI、コミュニケーション等々)について話し合い、思考を巡らし、それらを捉えようとする視点を持った作品へと成長していきました。
一度は上演中止となった本作品が、このたび、記録映像の上映という形で発表できますことを、ロームシアター京都ならびに関係者の皆様に感謝申し上げます。
ダムタイプ
Dumb Type New Work 2020
2020年/日本/65分
制作:ダムタイプ/ロームシアター京都
協力:株式会社タケナカ
企画製作:ロームシアター京都(KYOTO STEAM-世界文化交流祭-プログラムとして)