現在も新たな観客を獲得し続けている稀代の映画作家シャンタル・アケルマン。映画史上の傑作『ジャンヌ・ディエルマン-』で知られる彼女の出発点としてのベルギー、ブリュッセルという場所から、アケルマン作品を再考する機会として本特集を企画します。
まず最初に1回だけ『ジャンヌ・ディエルマン-』を上映。
未見の方はぜひこの傑作からご体験ください。
アケルマンと10代の頃からの友人であり、彼女の多くの作品の製作に携わってきたマリリン・ワトレさんと、ベルギー王立映画アーカイブCINEMATEKのキュレーター、クリストフ・ピエットさんをお迎えし、80年代にアケルマンが挑戦した2作品(『一晩中』『ゴールデン・エイティーズ』)を通じて、その作家的魅力の源泉についてお話しいただきます。
そして、出町座では初上映となる3作品を今回の企画のために特別にラインナップ。
『おなかすいた、寒い』1984/12分
『ブリュッセル、60年代後半の少女のポートレート』1993/60分
『彼方』2006/79分
ブリュッセルとパリとの距離を見据え、少女二人に宿る感情をまなざす。そしてアケルマンがイスラエルのテルアビブにて、途方に暮れながら滞在して撮った一編。
彼女の最後の著書『母が笑う』(モ・クシュラ刊)がこの秋日本で刊行されます。「私の映画の唯一の主題は母です」とまで語った娘と母との複雑な関係を捉えた初期作と遺作の2作品を上映します。
「私」というささやかな世界を抱きしめながら20世紀の歴史と対峙し、画面に刻み込むその作品たちと、今新たに出会ってください。


【シャンタル・アケルマン小特集2026】
協力:Fondation Chantal Akerman、CINEMATEK (Royal Film Archive of Belgium)
マーメイドフィルム、コピアポア・フィルム、アンスティチュ・フランセ
同志社大学都市共生研究センター(MICCS)