西アフリカ沖の群島国家カーボヴェルデ。
サンヴィセンテ島に暮らすカルロスは、酒やコカイン、音楽、そして亡き母の記憶とともに日々を生きている。
文化人類学者の青木敬は2013年にカルロスと出会い、それから12年にわたって彼を訪ね、対話と撮影を重ねてきた。やがて映像作家の長良将史も加わり、カメラはカルロスの生活だけでなく、カルロスと二人の撮影者とのあいだに積み重なっていく時間そのものを捉えていく。
母について語るカルロス。島を離れた人びと。遠くにいる家族や友人。過ぎ去った時間を呼び戻す音楽。彼の記憶をたどるうちに、そこからカーボヴェルデの島々に刻まれてきた移動と別離の記憶が、少しずつ滲み出してくる。
この島々では、離れてしまった人や場所、失われた時間をめぐる感覚が「ソダーデ」と呼ばれてきた。カルロスにとってのソダーデとは何なのか。
『カルロスのレシピ』は、ひとりの男と関係を重ねるなかで、そのことばでは捉えきれない感覚の輪郭に触れていく長編民族誌映画である。

『カルロスのレシピ』Rhythms of Sodade
2025/Cape Verde , Japan/109min
出演:カルロス・デルガード
共同監督:青木敬、長良将史
撮影・録音・編集:青木敬、長良将史
サウンド編集:佐片健
サウンドデザイン:YUE
タイトルデザイン:坂本陽一
字幕:青木敬、レイザ・モレノ、ヴィヴィアン・ノブス