【終戦80年映画上映企画】として、『火垂るの墓』『うしろの正面だあれ』を2週間限定上映します。
戦火の中の市井の暮らし、そのなかで生きる子らを描いた2つのアニメーション映画。
野坂昭如の短編小説を原作に、スタジオジブリ制作、高畑勲監督によってアニメーション映画となった『火垂るの墓』(1988)は、14歳の清太と4歳の節子の兄妹が神戸の空襲を経て、両親を亡くし、たった二人で生き抜こうとする日々を描いた悲痛な名作で、今回は非常に貴重な上映機会となります。
落語家、初代・林家三平の妻で作家の海老名香葉子さんが自身の少女時代の経験を元に、東京大空襲によって家族を失った少女かよ子の自立を綴る同名児童文学を原作としたアニメーション映画『うしろの正面だあれ』(1991)もまた、近年なかなか観ることができなくなってしまった名作で、今回劇場のスクリーンでご覧いただけることとなりました。さらに、8/11(月・祝)には『この世界の片隅に』の片渕須直監督にお越しいただき、2作品について語っていただくトークイベントも予定しています。
*片渕監督は『うしろの正面だあれ』の制作に画面構成(レイアウト)として参加されています。世界の各地で戦火がおさまらぬ不安定な情勢が続く現在、劇場での不特定多数の人と共にスクリーンで映画を共有する体験は、私たちがこの日常を生きるなかで多くのことを感じられる機会となると考えています。ぜひ皆さまとその機会をご一緒できればと願っております。
『うしろの正面だあれ』
1991年/日本/90分
声の出演:三輪勝恵、若本規夫、池田昌子、海老名泰孝、佐々木望、野沢雅子、柳沢三千代、沼波輝枝
監督・絵コンテ:有原誠治
脚本:今泉俊昭、有原誠治
キャラクターデザイン・作画監督:小野隆哉
美術監督:小林七郎
色彩設定:西川裕子
撮影監督:諌川弘
編集:尾形治敏
音楽:小六禮次郎
音響監督:明田川進
音響担当:三間雅文
録音スタジオ:アオイスタジオ
効果:倉橋静男
画面構成:片渕須直
企画:鳥山英二、寺島鉄夫
製作者:国保徳丸、瀬戸義昭、西村豊治、橋本湛匡、伊藤叡
アニメーション制作:虫プロダクション
製作:「うしろの正面だあれ」製作委員会(テレビ東京、スペース映像、にっかつ児童映画、アルファデザイン、虫プロダクション)
配給:共同映画