La Mer が Beyond the Sea になり、世界中を転々と歌われていったように、この世のものごとは姿や場所を変えて存えてゆく。
そのたゆたう時空間の中で、永遠にも感じる多幸感に溢れた瞬間があり、絶望の呪縛に囚われ続ける永劫たる時間がある。
この胡散臭く間が抜けたような陽キャを装うタイトルが、いつしかこの映画を観た後の人のなかで微笑ましく（同時に苦々しい思いも込めて）呟かれるだろう。

SUPER HAPPY FOREVER

それは私たちには決して全貌をあらわすことのない、この世界の隠された真理だろうか。
それとも、唾棄すべき醜悪な諧謔だろうか。

この映画はそれを問わない。
ただ爽やかな海風のごとく、両儀に満ち溢れた私たちの世界に起きている幾多の奇跡のひとつを涅槃のような境地で見事に描き出したのだった。

あと、山本奈衣瑠はほんとに最高です！！