ディス・マジック・モーメント
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ディス・マジック・モーメント

上映スケジュール

2024/3/15(金)〜3/28(木)

3/15(金)〜3/21(木)12:00-(13:35終)
3/22(金)〜3/28(木)09:35-(11:07終)

料金

通常料金設定

リム・カーワイ監督『すべて、至るところにある』
出町座にて3/15〜3/28上映あり!詳細は▶こちら◀

【舞台挨拶】
3/17(日)12:00の回
登壇:リム・カーワイ監督

*本編上映後に舞台挨拶を行います。
*実施日1週間前より電話予約を受付開始。券売と座席指定は当日先着順。▶予約詳細はこちら◀

【ご注意事項】
*ただいま感染症拡大予防のご案内をしております。▶こちら◀
*諸事情により中止または登壇者が変更になる可能性がございます。あらかじめご了承ください。
*いかなる事情が生じましても、ご購入・お引換後の鑑賞券の変更や払い戻しは致しません。
*無断で撮影・録音を行う、感染症予防対策に準じていただけない等、非常識な行動が見受けられた際は、当方の判断でご退出いただく場合があります。

公式サイト

旅する映画監督リム・カーワイと巡る、全国22館ミニシアター90分の旅!
 

 

私はマレーシア出身、大阪を拠点に活動している映画監督です。
1994年、大阪大学に留学してはじめて訪れた映画館であるテアトル梅田が、2022年9月に閉館しました。テアトル梅田はメジャー映画ではなく、世界各国のアートハウスの映画を積極的に上映するミニシアターでした。日本にはこうしたミニシアターが数多くあり、私は日本のミニシアターで浴びるように映画を観ました。大学4年生の時にシネ・ヌーヴォで原一男監督のワークショップ「シネマ塾」に参加し、映画監督を目指しました。
ミニシアターが、私の映画監督人生をはじめるきっかけをくれたのです。
11作目となる『ディス・マジック・モーメント』は、全国のミニシアター22館を巡った、自身初のドキュメンタリー作品です。前作『あなたの微笑み』(22)では、売れない自主映画監督“世界の渡辺”が全国のミニシアターを巡りました。今度は私が全国22館のミニシアターを巡り、スクリーンに映し出される“魔法の瞬間”に魅せられた人たちの声を集めてみました。
リム・カーワイ

 


 

■劇中に登場するミニシアター

【テアトル梅田】

関西の映画文化を牽引した、ミニシアター。32年の歴史に幕を下ろした。
大阪府大阪市北区茶屋町16−7 梅田ロフト B1階(当時)
≪出演≫支配人:木幡明夫 宣伝担当:瀧川佳典
1990年4月開館。2000作品以上の映画を上映し多くの人に親しまれてきたが、2022年9月30日、32年の歴史に幕を下ろした。最後の日は、別れを惜しむ多くの映画ファンが集まった。

【よしもと南の島パニパニシネマ】

日本最南端、宮古島唯一の映画館。
沖縄県宮古島市平良西里261−2
≪出演≫館長:下地史子
2002年に宮古島唯一の映画館だった、宮古国映館が閉館。2005年にシネマパニック宮古島 オープン。2014年によしもと南の島パニパニシネマとして、リニューアルオープンした。(デジタル化の為、リニューアルオープン)
2020年5月、病気療養中だった下地昌伸館長が逝去し、その意思を継いで妻・史子さんが代表に就任した。

【首里劇場】

映画『あなたの微笑み』に登場した沖縄に現存する最古の映画館。2022年、惜しまれつつ72年の歴史に幕を閉じた。
沖縄県那覇市首里大中町1-5(当時)
≪出演≫館長:金城政則(映画『あなたの微笑み』より) 「首里劇場調査団」副代表:平良竜次
1950年9月に開館した、現存する沖縄最古の映画館。70年代に成人映画専門館となったが、3代目館長の金城政則さんたっての願いだった“名画座”として2021年5月1日に再スタートした。しかし金城館長が2022年4月9日に67歳で逝去し閉館が決まった。現在、「首里劇場調査団」が保存の方法を模索している。

【シアタードーナツ・オキナワ】

名物は毎朝手作りするドーナツ!シネコンでも、単館でもない、第三の映画館“コミュニティシアター”
沖縄県沖縄市中央1丁目3−17
≪出演≫代表:宮島真一
 2015年に開館。揚げたてのドーナツを食べながら、沖縄で制作されたローカル映画が見られるとあって人気のカフェシアター。

【小倉昭和館】

北九州唯一の単館系映画館。旦過地区の火事で全焼するも、2023年12月の再建・再開を目指している。
福岡県北九州市小倉北区魚町4丁目2−9
≪出演≫館主:樋口智巳
1939年に開館。俳優の故高倉健さんから生前、映画館を長く続けてほしいとの励ましの手紙が届いたことがきっかけで、11月10日の健さんの命日に来館者がコーヒーで「献杯」する催しは恒例になっている。2022年8月10日、旦過市場の火災により全焼したが、クラウドファンディングや義援金など支援の輪が広がり、2023年12月の再開・再建を目指している。

【別府ブルーバード劇場】

世界最年長の名物館長・照さんが切り盛りする、昭和レトロな映画館。
大分県別府市北浜1丁目2−12
≪出演≫館長:岡村照
1949年に開館。共に劇場を経営していた父、夫に先立たれ、39歳で岡村照さんが館長となり、以後50年近く劇場を守り続けている。創業当時から変わらないレトロな内装、岡村館長の人柄に、観客以外にも多くの監督、俳優から愛される劇場としても有名。

【宮崎キネマ館】

特定非営利活動法人が運営する映画館として、2001年に日本で最初に誕生した映画館。
宮崎県宮崎市高千穂通1丁目178 カリーノTRUNK
≪出演≫支配人:喜田惇郎
2001年に開館し、2021年4月に現在の場所に移転オープンし、4スクリーンになった。「映像文化の拠点」を目標に、一般上映はもちろん、飲食も可能で、他のイベントとの連動にも対応できる文化空間づくりを目指している。

【ガーデンズシネマ】

鹿児島にある、作られた当時、日本で一番小さい映画。
鹿児島県鹿児島市呉服町6−5 マルヤガーデンズ 7F
≪出演≫支配人:黒岩美智子
2010年に開館。一般社団法人鹿児島コミュニティシネマが運営している。座席数は39席で、デジタルシネマの上映設備を導入している映画館では日本最少である。「映画の感動で人と人をつなぐ」コミュニティをめざして、映画上映やイベント開催や学びの場作り、情報発信や上映支援などを行っている。

【THEATER ENYA】

大林宣彦監督『花筐』のロケ地・唐津の商店街に22年ぶりに復活した映画館。
佐賀県唐津市京町1783 1階 KARAE
≪出演≫館長:甲斐田晴子
2019年10月に、商店街の再開発事業の一環として建設された「KARAE」内に開館した。2017年に大林宣彦監督と『花筐/HANAGATAMI』をオール唐津ロケで共同製作した、一般社団法人Karatsu Culture Commission(当時は唐津映画製作委員会)が運営している。

【豊岡劇場】

映画『あなたの微笑み』にも登場した、レトロな映画館。幾多の休館を乗り越え、2023年3月に再開した。
兵庫県豊岡市元町10−18
≪出演≫元代表:石橋秀彦 代表:田中亜衣子
1927年に芝居小屋として始まり、社交ダンスの場、映画館と大衆文化の場として、常に多くの周辺地域住民に愛されつつも、2012年3月末に一度閉館した。2014年に復活に向け有志により「豊劇新生プロジェクト」が立ち上げられ、再開した。しかしコロナ禍の影響で入場者数が減少し、2022年8月31日でいったん休館したが、2023年3月に再オープンした。

【シネマテークたかさき】

高崎映画祭のスタッフが中心となり市民出資を募って設立したミニシアター。
群馬県高崎市あら町202
≪出演≫総支配人:志尾睦子
2004年に開館。1987年から続く高崎映画祭の創設者が中心となって設立されたNPO法人「たかさきコミュニティシネマ
が運営するミニシアターである。洋画を中心に厳選した名画を上映する他、高崎映画祭の会場となっている。

【高田世界館】

国の登録有形文化財や近代化産業遺産にも指定される、日本最古級の映画館。
新潟県上越市本町6丁目4−21
≪出演≫支配人:上野迪音
1911年に芝居小屋として開館。日本最古級といわれ、文化財にも指定されている洋館建築の建物としても有名である。建物の老朽化など様々な困難を経て、現在はNPO法人「街なか映画館再生委員会」によって運営されている。

【上田映劇】

100年以上の歴史を誇る、老舗の劇場。
長野県上田市中央2丁目12−30
≪出演≫編成:原悟
1917年開館。前身は芝居小屋で、興行の変遷に伴い「上田劇場」、「上田映画劇場」、「上田映劇」とその名を変えてきました。2011年に一度閉館するも、現在の運営法人「NPO法人 上田映劇」により、開館100周年の2017年に定期上映を再開した。

【シネマスコーレ】

若松孝二監督が初代オーナーだった、名古屋の名物ミニシアター。
愛知県名古屋市中村区椿町8−12 アートビル 1F
≪出演≫代表:木全純治
1983年、若松孝二監督により開館。以後40年にわたり、アジア映画や日本映画の注目作、インディーズ作品などを上映してきた。2021年には、木全純治前支配人を追ったドキュメンタリー映画『シネマスコーレを解剖する。コロナなんかぶっ飛ばせ』が全国公開、近年は坪井篤史支配人が仕掛ける独創的なイベント等で全国的に名前を轟かせている。

【福井メトロ劇場】

今年開館70周年になる、福井県内唯一のミニシアター。
福井県福井市順化1丁目2−14 メトロ会館 4階
≪出演≫館主:根岸輝尚
1953年に洋画ロードショー館として開館。1997年にアート系作品をメインに上映するミニシアターに改装された。2016年に三代目館主だった父が急逝し、東京でシステムエンジニアをしていた根岸輝尚さんが館主に、姉の佳代さんが支配人に就任した。

【シネモンド】

フランス語で「世界の映画」を意味する石川県唯一のミニシアター。1998年開館。
石川県金沢市香林坊2丁目1−1香林坊東急スクエア4階
≪出演≫支配人:上野克
石川県唯一のミニシアターとして1998 年開館。地域の商店街や行政、2004 年にオープンした金沢21世紀美術館など、地元と連携した活動も行なっており、金沢コミュニティシネマの「こども映画教室」の活動も企画運営している。

【ほとり座】

2020年に開館した、カフェやライブホールも併設するミニシアター。
富山県富山市総曲輪3丁目3−16 総曲輪ウィズビル 4F
≪出演≫上映イベント・番組編成:樋口裕重子
前身となったフォルツァ総曲輪は、富山市が出資する第三セクター「まちづくりとやま」が運営する公設民営の映画館で、2016年に休館した。休館決定後には富山市民らによって「フォルツァ総曲輪の未来を考える会」が発足した。2016年、シネマカフェ「HOTORI × ほとり座」がオープンし、2020年にフォルツァ総曲輪跡地にミニシアター「ほとり座
として開館した。

【シネ・ウインド】

「新潟・市民映画館鑑賞会」という会員制度を持つ、市民参加型映画館。
新潟県新潟市中央区八千代2-1-1万代シテイ第二駐車場ビル1階
≪出演≫支配人:井上経久
1985年に、市民参加と市民出資による独自の新しい映画館をつくるため、「新潟・市民映画館建設準備会」を発足し、同年12月7日に開館した。最近では、会報・月刊ウインドの読者有志により、三浦春馬さんを応援する仲間たちの会「Nはるるん会」が結成され、三浦春馬特集上映が定期的に開催されているのも話題になっている。

【御成座】

廃墟となった映画館に移住した一家が、ロビーをリビングにして生活をしながら運営する唯一無二のミニシアター。
秋田県大館市御成町1丁目11−22
≪出演≫運営:切替桂 映写技師:遠藤健介 絵看板師:仲谷政信
1952年に洋画専門のロードショー館として開館するも、3年後の1955年に火災により焼失した。その後が再建されるが、2005年に閉館した。2014年、解体されず廃墟となった映画館に切替さん一家が移住したことにより再開した。その様子は、「ザ・ノンフィクション」(CX)で取り上げられ、大きな話題になった。

【シネマディクト】

落語会「シネマディクト寄席」も開催する、本州最北端の個性派ミニシアター。
青森県青森市古川1丁目21−18 NARAYAビル 3F
≪出演≫館主:谷田恵一
1954年に「奈良屋劇場」の名称で開館した。当初は東映作品を中心とする邦画の封切館だった。1997年に「シネマディクト」として再開業した。ビルの正面には、スライド式のある映写機が飾ってあり、映画館の目印となっている。

【大黒座】

クリーニング店も営む、北海道で現存する最も古い映画館。
北海道浦河郡浦河町大通2丁目18
≪出演≫館主:三上雅弘 妻:三上佳寿
1918年開館した。1994年に現在の建物になり、2008年には大黒座の応援しようと有志によって、「大黒座サポーターズクラブ」が誕生した。2011年には大黒座を支える一家とそれを取り巻く町民たちとの人間模様を追ったドキュメンタリー映画『小さな町の小さな映画館』(11/森田惠子監督)が公開された。映画『あなたの微笑み』では、“世界の渡辺”が晩年を過ごした映画館として登場した。

【シネ・ヌーヴォ】

リム・カーワイ監督が、映画監督を目指すきっかけとなった大阪のミニシアター。
大阪府大阪市西区九条1丁目20−24 シャトル九条第2マンション
≪出演≫代表:景山理
1997年に開館。特集上映と国内外の異色作のロードショー上映を2本柱に、関西屈指の上映本数を誇る。特に独自企画である多彩・多様な特集上映は名物となっており、多くのファンに愛されている。2023年7月に、劇場存続のため支援・寄付を募る企画「シネ・ヌーヴォFROM NOW ONプロジェクト2023」がスタートし、目標額を上回る支援が寄せられた。

2023年/日本/90分
英題:This Magic Moment

テアトル梅田:木幡明夫、瀧川佳典 よしもと南の島パニパニシネマ:下地史子
首里劇場:金城政則、平良竜次 シアタードーナツ・オキナワ:宮島真一
小倉昭和館:樋口智巳 別府ブルーバード劇場:岡村照 宮崎キネマ館:喜田惇郎
ガーデンズシネマ:黒岩美智子 THEATER ENYA:甲斐田晴子 豊岡劇場:石橋秀彦、田中亜衣子
シネマテークたかさき:志尾睦子 高田世界館:上野迪音 上田映劇:原悟
シネマスコーレ:木全純治 福井メトロ劇場:根岸輝尚 シネモンド:上野克
ほとり座:樋口裕重子 シネ・ウインド:井上経久 御成座:切替桂、遠藤健介、仲谷政信
シネマディクト:谷田恵一 大黒座:三上雅弘、三上佳寿 シネ・ヌーヴォ:景山理

監督・プロデューサー・脚本・編集・ナレーション:リム・カーワイ
撮影:大窪竜司 録音・サウンドデザイン:山下彩 音楽:石川潤 カラコレ:田巻源太

助成:文化庁、ARTS for the future! 2
企画・製作・配給:cinema drifters 宣伝:大福 宣伝美術:阿部事務所