誰の人生にも起こりうる劇的な瞬間!ドキュメンタリー映画『走れ!走れ走れメロス』では、島根の小さな分校に通う高校生と、当時「不要不急」とも言われていた演劇との「出会い」をカメラに収めました。『メロスたち』はその続きになります。
たった3年間の高校生活。人生における劇的な出来事が、舞台上で躍動する彼ら自身の芝居とも響き合う。そんなノンフィクションでも、フィクションでもある瞬間を今作も詰め込んでいます。島根を飛び出し東京・下北沢までやってきた青春舞台、ぜひ劇場でご覧ください。
監督:折口慎一郎
走れ!走れ走れメロス
駆け出した青春は止まらない__
“好きなこと”に出会った高校生たちの物語
全校生徒70名。島根県にある最も小さな県立高校、三刀屋高校掛合分校で、4人の高校生たちがはじめて演劇を始めた。「対人関係が少し苦手」「ずっと机に向かうのも得意じゃない」「熱中できるものなんてない」など、それぞれの劣等感と向き合いながら、演劇に魅せられていく4人。そんな彼らが、担任の亀尾佳宏と共に初舞台に選んだ題材は、太宰治の名作「走れメロス」だった。意気揚々と高校演劇の 地区大会に挑戦する高校生たちだったが、本校である三刀屋高校のレベルに圧倒された上、コロナ禍により無観客での開催になってしまう。「満席の会場で演劇やりてぇな」———。県大会に進出できず、誰にも見てもらえないまま幕を閉じると思われた高校生たちの青春。しかし、筋書き通りにいかない彼らの物語は、誰も予想しなかった結末へと転がりだす!
第14回下北沢映画祭で審査員特別賞をはじめ四冠を受賞したほか、うえだ城下町映画祭実行委員会特別賞受賞、東京ドキュメンタリー映画祭2022入選など、全国各地の映画祭で話題の本作。
監督の折口慎一郎は、「コロナ禍でも、青春は奪えない」と彼らのひたむきな姿に惚れ込み、今も高校生たちの“その後”を追い続けている。困難な時代にあっても“好きなこと”と出会い、その魅力に没入していく高校生たちの存在自体が、観る者それぞれの思い出と共鳴していく体感型ドキュメンタリー!
メロスたち
好きなことに出会った高校生たちの“その後”
太宰治の小説「走れメロス」を基にした創作舞台『走れ!走れ走れメロス』で、コロナ禍にもかかわらず予想外の評価を得た島根県の掛合分校演劇同好会。しかし、演劇の世界に導いた顧問の亀尾は異動し、4人だけのメンバーも3年生に進級。それぞれ進路を決める中、曽田昇吾は1人で中国大会の舞台に立っていた。
「オレだけ演劇やってていいんですかね」。卒業が近づいていた―――。
演劇と出会い、舞台に立つことの喜びを知った高校生たちをカメラに収めたドキュメンタリー映画『走れ!走れ走れメロス』は、2022年の下北沢映画祭コンペティション審査員特別賞など四冠のほか、うえだ城下町映画祭自主制作映画コンテスト・実行委員会特別賞や「地方の時代」映像祭・市民・学生・自治体部門で優秀賞を獲得。その後劇場公開され、下北沢トリウッドでは、折口監督と高校生たち、顧問の亀尾先生が舞台挨拶に登壇。初々しくも熱い彼らの姿に多くの観客が感化され、涙する観客の姿も見られました。また、折口監督の地元・広島の横川シネマでは、連日の盛況を受けて延長上映されるなど、話題となりました。
続編新作にあたる本作『メロスたち』は、一人芝居に挑み、中国大会で好成績を収めるなど活躍、のちに名門劇団・文学座の研究生になった曽田昇吾さんを中心に、高校卒業を控え孤独や葛藤、焦燥を抱える彼らそれぞれの「選択」を軸に物語が動いていきます。そして、2023年3月、卒業を前に4人が再び集まり、大勢の観客を前に東京都・下北沢や松江市で“卒業式”と銘打った公演を行った場面も収録。困難な時代にあっても“好きなこと”と出会い、その魅力に没入していく高校生たちの存在自体が、観る者それぞれの思い出と共鳴していく体感型ドキュメンタリーです。
『走れ!走れ走れメロス』2022年/日本/53分
『メロスたち』2023年/日本/75分
出演:曽田昇吾 常松博樹 石飛圭祐 佐藤隆聖 亀尾佳宏
監督:折口慎一郎
撮影:ふしきさくら、熱田優雅、 折口慎一郎 編集:ふしきさくら 折口慎一郎
音楽:小林有希子
『掛合高校学園歌』作詞 春日正光 作曲 小林昭三
『サンカヨウ』『音楽をしよう』作詞/作曲 矢田太朗
劇中原作:中島敦「山月記」 太宰治「走れメロス」
企画:プロダクション26 配給・宣伝:下北沢映画祭 配給協力:イハフィルムズ