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【批評文公開】『マダム・ハイド』『ティップ・トップ』第2回 映画批評月間 ~フランス映画の現在をめぐって~ in 関西

【批評文公開】『マダム・ハイド』『ティップ・トップ』第2回 映画批評月間 ~フランス映画の現在をめぐって~ in 関西

本企画にて来場予定だったセルジュ・ボゾン監督が世界的な新型肺炎感染拡大のため来日が適わなくなってしまいました。そのかわり、本企画の意図である「批評」への意識に立ち返り、今回ボゾン監督の聞き手をつとめて頂く予定だった批評家の廣瀬純さんに、上映2作品についての批評文を執筆いただきました。廣瀬さんにも度々予定が変更になったうえ、急遽執筆のお願いを快くお引き受けくださり、感謝致します。上映の際にご来場の皆さまに配布していますが、廣瀬さんのご了承を得て、こちらにも掲載させて頂きます。今回上映にお越し頂けない皆さま、他の地域でボゾン監督作品の上映を心待ちにされている皆さま、ぜひあわせてこちらもご高覧ください。このような世界的な困難の時期ではありますが、できるだけ文化的営為を絶やさず、処して参ります。そして近い未来に、ボゾン監督の来日が果たされることを切に祈っております。皆さまもご記憶、ご関心のほど、引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

▶〈第2回 映画批評月間 ~フランス映画の現在をめぐって~ in 関西〉詳細ページ◀
 


 

© 2017 LFP-Les Films Pelléas – Frakas Productions – ARTE France Cinéma – Auvergne-Rhône-Alpes Cinéma

マダム・ハイド Madame Hyde

フランス/2017年/96分
出演:イザベル・ユペール、ロマン・デュリス、ジョゼ・ガルシア ほか

パリ郊外の高校に勤める内気な物理学の女性教師ジキルは生徒たちから見下されている。ある日、彼女は、実験中に失神し、神秘的で危険な力を感じるようになる。スティーヴンソンの代表作『ジキル博士とハイド氏』を、19世紀後半のブルジョワ社会ではなくパリ郊外、現在を舞台に、また男性ではなく女性を主人公に、自由に脚色されたボゾンの最新作。「トリュフォーが『野生の少年』で試みたように、学ぶということを映画でどう描くか、教育の重要性、難しさを見せたかった。そのため、冒頭で主人公はまだにそこに至っておらず、ふつうの方法では変えられない状況にいる。そこにスティーヴンソンが介入してくるわけだ。」(セルジュ・ボゾン)

 


 

© DR

ティップ・トップ ふたりは最高 Tip Top

フランス=ルクセンブルク/2013年/106分
出演:イザベル・ユペール、サンドリン・キーベルラン、フランソワ・ダミアン、キャロル・ロシェ

フランス北部でアルジェリア系の情報屋が殺された。その情報屋は、地域のドラッグの密売に関わっていたが、警察署内部を探るため、ふたりの女性監察官、エスターとサリが派遣された。ひとりは殴りこみをかけ、もうひとりは覗き見る…そう、ふたりは最高のコンビ!__「ボゾンはかつてゴダールが取った方法を応用してみせる。犯罪映画を口実にまったく別のものを語ること。では本作では何が語れているのか、おそらく傑出した前作のタイトルの中にその答はあるだろう、つまり『フランス』である。(オリヴィエ・ペール)