【終戦80年映画上映企画】『火垂るの墓』『うしろの正面だあれ』上映 & 片渕須直監督トーク
【終戦80年映画上映企画】として、『火垂るの墓』『うしろの正面だあれ』を出町座にて2025年8月8日より2週間限定上映します。
2025年は、1945年の終戦から80年となります。年々戦争を体験された方が少なくなっていくなかで、あらためて戦争の時代を生きることを見つめるべく、出町座では8月8日から2週間、戦火の中の市井の暮らし、そのなかで生きる子らを描いたアニメーション映画の名作を2作品上映することが決まりました。
野坂昭如の短編小説を原作に、スタジオジブリ制作、高畑勲監督によってアニメーション映画となった『火垂るの墓』(1988)は、14歳の清太と4歳の節子の兄妹が神戸の空襲を経て、両親を亡くし、たった二人で生き抜こうとする日々を描いた悲痛な名作で、今回は非常に貴重な上映機会となります。
落語家、初代・林家三平の妻で作家の海老名香葉子さんが自身の少女時代の経験を元に、東京大空襲によって家族を失った少女かよ子の自立を綴る同名児童文学を原作としたアニメーション映画『うしろの正面だあれ』(1991)もまた、近年なかなか観ることができなくなってしまった名作で、今回劇場のスクリーンでご覧いただけることとなりました。
さらに、8/11(月・祝)には『この世界の片隅に』の片渕須直監督にお越しいただき、2作品について語っていただくトークイベントも予定しています。
*片渕監督は『うしろの正面だあれ』の制作に画面構成(レイアウト)として参加されています。
世界の各地で戦火がおさまらぬ不安定な情勢が続く現在、劇場での不特定多数の人と共にスクリーンで映画を共有する体験は、私たちがこの日常を生きるなかで多くのことを感じられる機会となると考えています。
ぜひ皆さまとその機会をご一緒できればと願っております。
諸々詳細は追って出町座公式サイトにてお知らせして参ります。どうぞご関心くださいませ。

©︎ KUROBURUE
『火垂るの墓』『うしろの正面だあれ』1日1回ずつ上映
8/11 月・祝 片渕須直監督(『この世界の片隅に』)トークイベント
「戦後80年を迎えて__アニメーション映画で戦争をどう描くか」
*上映、イベントスケジュール等詳細は7月中旬に決まり次第、出町座公式サイトにて告知いたします。

© 野坂昭如/新潮社,1988
火垂るの墓
1988年/日本/88分
声の出演:辰巳努、白石綾乃、志乃原良子、山口朱美
監督・脚本:高畑勲
原作:野坂昭如
企画・製作:佐藤亮一
プロデューサー:原 徹
キャラクターデザイン・作画監督:近藤喜文
レイアウト・作画監督補佐:百瀬義行
美術監督:山本二三
音楽:間宮芳生
制作:スタジオジブリ
昭和20年、夏。父は海軍将校で出征しており、母と3人で神戸市内で暮らす14歳の清太と4歳の節子の兄妹は、空襲によって家を焼け出され、母も亡くしてしまう。2人は西宮の叔母の家に身を寄せるが、次第に邪険に扱われるようになり、清太は節子を連れて西宮の家を飛び出す。池の端の防空壕に棲み着いた兄妹は、2人きりの貧しくも楽しい生活を送り始めるが、過酷な現実が待っていた。
うしろの正面だあれ
1991年/日本/90分
声の出演:三輪勝恵、若本規夫、池田昌子、海老名泰孝、佐々木望、野沢雅子、柳沢三千代、沼波輝枝
監督・絵コンテ:有原誠治
脚本:今泉俊昭、有原誠治
キャラクターデザイン・作画監督:小野隆哉
画面構成:片渕須直
音楽:小六禮次郎
アニメーション制作:虫プロダクション
東京の下町の老舗の釣竿店で、両親と三人の兄、祖母と明るく健やかに暮らしていた少女かよ子。弟の誕生に喜ぶも束の間、日本は太平洋戦争に突入し、日常が戦争の色をしだいに濃くしてゆく。東京をB29爆撃機が頻繁に来襲し、かよ子は沼津の伯母の家へ疎開する。3月のある夜、箱根の山の向こうの空が真っ赤になった東京大空襲を見たかよ子に、絶望的な報せがやってくる。
主催:出町座
協力:株式会社コントレール/虫プロダクション株式会社/株式会社 新潮社