空に聞く
© KOMORI HARUKA

空に聞く

上映スケジュール

2020/12/11(金)〜2021/1/7(木)

12/11(金)~12/17(木)12:00(〜13:20終)
12/18(金)~12/24(木)9:55(〜11:20終)
12/25(金)〜12/27(日)13:05(〜14:25終)
12/28(月)〜12/31(木)13:25(〜14:45終)
1/1(金)〜1/7(木)17:30(〜18:45終)
*1/7で終映

料金

通常料金設定

全国共通特別鑑賞券(1,300円)、出町座受付にて販売中!
*販売は映画上映開始日前日まで。

上映日の1週間前(同じ曜日)より電話予約受付しております。詳しくは▶こちら◀
日によってはご予約多数により売り止めが生じることがありますので、ご注意ください。

【舞台挨拶】
12/13(日)小森はるか監督 舞台挨拶決定!

【関連上映】
小森はるか監督『息の跡』12/4(金)〜12/10(木)上映あり
▶詳細はこちら◀

公式サイト

かつての町の上に、新しい町が作られていく。
傑作『息の跡』の小森はるかが見つめた、震災後の陸前高田で
いくつもの声を届けたあるラジオ・パーソナリティの物語。

 


 

【INTRODUCTION】

東日本大震災の後、約三年半にわたり「陸前高田災害FM」のパーソナリティを務めた阿部裕美さん。
地域の人びとの記憶や思いに寄り添い、いくつもの声をラジオを通じて届ける日々を、キャメラは親密な距離で記録した。
津波で流された町の再建は着々と進み、嵩上げされた台地に新しい町が造成されていく光景が幾重にも折り重なっていく。
失われていく何かと、これから出会う何か。
時間が流れ、阿部さんは言う___忘れたとかじゃなくて、 ちょっと前を見るようになった。

監督は、震災後のボランティアをきっかけに東北に移り住み、
刻一刻と変化する町の風景と出会った人びとの営みを記録してきた映像作家の小森はるか。
傑作『息の跡』と並行して撮影が行われた本作は、映像表現の新たな可能性を切り拓くことを目的とした
プロジェクト 「愛知芸術文化センター・愛知県美術館オリジナル映像作品」として完成。
あいちトリエンナーレ、山形国際ドキュメンタリー映画祭、恵比寿映像祭と立て続けに上映され、
先鋭的なプログラムの中でもひときわ大きな反響を呼んだ。

 


 

阿部裕美(あべ・ひろみ)

岩手県陸前高田市生まれ。東日本大震災による津波で、夫婦で営んでいた和食料理屋の店舗と実家が流失。
震災後は、陸前高田災害FMのパーソナリティとして勤務。
地元に寄り添った丁寧な取材と言葉選びで多数の人気番組を生み出して、地元のみならず全国にファンをつくる。
退職後は災害公営住宅でコミュニティづくりに携わり、2016年からは「陸前高田昔がたりの会」を発足、
お年寄りの昔語りを聞く会を市内で開催し、聞き手を務めている。
2017年12月、新市街地にて和食「味彩」を再開した。

〈陸前高田災害FM〉

2011年12月10日より開局。コールサインJOYZ2AK-FM、周波数80.5MHz
市内高台にあるプレハブのスタジオから毎日24時間放送を続ける。
阿部裕美さんは開局当初から 2015年4月までパーソナリティを務めた。
戦争体験から震災後まで一人の人生に耳を傾ける「気仙のじいちゃん気仙のばあちゃん昔がたり」、
市内在住の中国人やフィリピン人パーソナリティが母国語と日本語でお送りする「外国語放送の時間」、
陸前高田商工会青年部の3人が震災前の街の風景を思い浮かべながら未来を語る「舘の沖.com」、
障害のある2人のパーソナリティーによるゆる熱々なトーク番組「ユウケンの部屋」、
中学生パーソナリティのみなみちゃんが独自の視点でまちの復興に切り込む「みなみの福興ラジオ」、
再開事業所や仮設住宅の住民等のインタビューを紹介するワイド番組「はちまるゴーゴー生ワイド」など、
陸前高田災害FMならではの市民中心の番組が全国から注目を集めた。
また毎月11日の月命日には14時46分に合わせて黙祷放送を行った。
2018年3月16日をもって閉局。

 


 

監督・撮影・編集 小森はるか(こもり・はるか)

1989年静岡県生まれ。映像作家。映画美学校12期フィクション初等科修了。
東京藝術大学美術学部先端芸術表現科卒業、同大学院修士課程修了。
2011年4月に、ボランティアとして東北沿岸地域を訪れたことをきっかけに、
画家で作家の瀬尾夏美と共にアートユニット「小森はるか+瀬尾夏美」での活動を開始。
翌2012年、岩手県陸前高田市に拠点を移し、人々の語り、暮らし、風景の記録をテーマに制作を続ける。
2015年、仙台に拠点を移し、東北で活動する仲間とともに記録を受け渡すための表現をつくる組織「一般社団法人 NOOK」 を設立。
主な展覧会などに「3.11とアーティスト|進行形の記録」(水戸芸術館/茨城/2012)、
「Art action UK レジデンシープログラム」(HUSK Gallery/ロンドン/2012)、
「記録と想起 イメージの家を歩く」(せんだいメディアテーク/宮城/2014)、
「あたらしい地面/地底のうたを聴く」(東京、広島/2015〜2019)、
「波のした、土のうえ」(全10カ所巡回/2015〜2018)、
「遠い火|山の終戦」(京都、東京、宮城/2016〜2017)、
「キオクのかたち/キロクのかたち」(横浜市民ギャラリー/横浜/2017)、
「継承のしさく」(せんだい3.11メモリアル交流館 /宮城/2019)、
「東京スーダラ2019——希望のうたと舞をつくる」(世田谷文化生活情報センター生活工房/東京/2020)、
「二重のまち/四つの旅のうた」(第12回恵比寿映像祭/東京/2020)、
「ことばのいばしょ」(札幌文化芸術交流センターSCARTS/北海道/2020)など。
共著に「論集 蓮實重彦」(工藤庸子編/羽鳥書房刊)、
「AONO FUMIAKI NAOSU」(細谷修平、清水建人[smt]編/せんだいメディアテーク刊)など。

あいちトリエンナーレ2019〈映像プログラム〉
山形国際ドキュメンタリー映画祭2019〈日本プログラム〉
第12回恵比寿映像祭

2018年/日本/73分

監督・撮影・編集:小森はるか
撮影・編集・録音・整音:福原悠介
特別協力:瀬尾夏美
企画:愛知芸術文化センター 制作:愛知県美術館
エグゼクティブ・プロデューサー:越後谷卓司
配給:東風