第42回トロント国際映画祭 SPECIAL PRESENTATION 部門選出
現代アフリカ系映画作家の最重要監督マハマト=サレ・ハルーンが、
フランスに逃れてきた難民、移民の人々の過酷な運命を描く重要作。
【STORY】
中央アフリカ共和国で高校教師をしていたアッバス(エリック・エブアニー)は、2人の子供を連れ、激しい内戦から逃れフランスにやってくる。アッバスは難民申請を待つ間食品市場で働いていた。アッバスと同様、フランス政府に亡命申請をしているポーランド系移民のキャロル(サンドリーヌ・ボネール)は彼と恋に落ち、彼と子供たちに寝床を提供する。キャロルの申請は受理されるが、アッバスの難民申請が却下され、彼らは重大な決断を迫られることになる。
【INTRODUCTION】
日本では『終わりなき叫び』(2010)という公開作があり、その作品は現代アフリカの社会情勢を色濃く映したものとして重要な位置を占める現代アフリカ系映画作家の最重要監督マハマト=サレ・ハルーンが、本作ではフランスに逃れてきた難民、移民の人々の過酷な運命を描く。アフリカの戦火から逃れてきた黒人男性とポーランドから亡命してきた白人女性の恋愛が実るも、それぞれの出自が運命を決してしまう悲劇を現代社会の歪みを基盤に描く骨太な社会派作品であると同時に、映画表現としての繊細さや美しさも湛える必見作である。
2017年/France/101分
英題:A Season in France 原題:Une saison en France
© 2017 Pili Films, ARTE France Cinéma
監督・脚本:マハマト=サレ・ハルーン
出演:エリック・エブアニー、サンドリーヌ・ボネール