【イントロダクション】
映画ファンにとっては欠かせない、毎夏恒例の「フランス映画祭」を今年も関西で開催します。オープニングには、初監督作品「マイ・レボリューション」で、自分の信じる道を進もうとする現代の若者を描き、主演も務めるジュディス・デイビスを特別ゲストとしてお迎えします。
その他、注目の最新作の数々や、関西初上映となるギヨーム・ブラック監督の「宝島」、また、同監督と共にセレクトした夏やヴァカンスを巡る傑作もお届けします。多彩なフランス映画の世界を発見する特別な機会を是非お見逃しなく!
【新作】…フランス映画祭 新作ラインナップ
【vacans】…ヴァカンス映画特集
宝島 L’Ile au trésor
【vacans】2018年/97分/監督:ギヨーム・ブラック
パリの北西にあるレジャー・アイランドでのひと夏。ある者たちにとっては冒険、誘惑、ちょっとした危険を冒す場所。他の者たちにとっては避難、逃避の場所となっている。世界の喧騒とどこかで響き合いながら、この場所には有料の海水浴場もあれば、人目につかない片隅、あるいは子供たちが探求する王国もある。「イル・ド・フランスのセルジー=ポントワーズにあるこのレジャー・アイランドは私の子供時代の一部を成しており、今日でもなお思い出すとても鮮明な記憶と結びついています。」
★出町座にて7/13(土)よりギヨーム・ブラック監督『7月の物語』(併映『勇者たちの休息』)、ギヨーム・ブラック特集開催!
カブールのツバメ Les Hirondelles de Kaboul
【新作】2019年/82分/監督・脚本:ザブー・ブライトマン、監督:エレア・ゴべ・メヴェレック
キャスト:ジタ・アンロ、スワン・アルロー、シモン・アブカリアン、ヒアム・アッバス
1998年夏、アフガニスタンのカブールはタリバン勢力の支配下に。ズナイラとモーセンのカップルは、暴力と悲惨な現実の中でも希望を持ち続けていたが、ある行動が災いし…。2019年、カンヌ国際映画祭ある視点部門コンペティション出品。
湖の見知らぬ男 L’Inconnu du lac
【vacans】2013年/97分/監督:アラン・ギロディ
出演:ピエール・ドィラドンシャン、クリストフ・パウ、パトリック・ダスマサオ、ジェローム・シャパット、マチュー・ヴェルヴィッシュ
ある夏。湖の畔に隠れた男たちのハッテン場で、フランクはミシェルに恋をした。美しく、力強く、危険なミシェル。ある殺人現場を目撃してしまったフランクは、ミシェルがこの事件に関わっているのでは?という疑問を抱きつつも、彼への情熱を生きようとするが…。2013年カンヌ国際映画祭「ある視点」部門にて監督賞受賞。
「『湖の見知らぬ男』はおそらくアラン・ギロディのもっと美しい作品である。編集を抽象化し、視線や場所、距離の戯れを見せるその方法によって、ギロディはこれまでにない見事なデクパージュの技法に到達している(…)時代のあらゆる定義づけを超えて、本作は神話的次元に到達している。」ジャン=セバスチャン・ショーヴァン、「カイエ・デュ・シネマ」690号
アイディアル・パレス シュヴァルの理想宮(仮)L’Incroyable histoire du Facteur Cheval
【新作】2018年/105分/監督・脚本:ニルス・タヴェルニエ
キャスト:ジャック・ガンブラン、レティシア・カスタ、ベルナール・ル・コク、フローレンス・トマシン
1879年、フランスのオートリーヴ。
石につまづいたことをきっかけに、郵便配達員のジョセフ・フェルディナン・シュヴァルは、愛娘のために“おとぎの国の宮殿”を作る決意をする。たった一人で石を積み上げること33年。ピカソやアンドレ・ブルトンも絶賛し、フランス政府指定の重要建造物となった「シュヴァルの理想宮」の誕生秘話。
夏物語 Conte d’été
【vacans】1996年/114分/監督:エリック・ロメール
出演:メルヴィル・プポー、アマンダ・ラングレ
大西洋に面した美しい避暑地ディナールでひとり恋人を待つガスパール。彼はクレープ専門店でウェイトレスをしているマルゴと出会い、デートを重ねるが、ソレールという女性にも惹かれていく。ガスパールは恋人レナと落ち合ってウェッサン島に旅行するはずなのに、約束の日から一週間経っても彼女はやってこない…。ブルゴーニュの港町、白い砂浜の上、三人の女性の間を右往左往するガスパールによって、ショット内の男と女たちによる永遠に続くとも思えるヴァリエーションが、ロメールならではの演出のヴァリエーションとして見えてくる。
社会の片隅で Les Invisibles
2018年/102分/監督・脚本:ルイ=ジュリアン・プティ
キャスト:オドレイ・ラミー、コリンヌ・マシエロ、ノエミ・ルヴォヴスキ、デボラ・ルクムエナ
行政の決定により、ホームレスシェルターが閉じることになった。閉鎖までの3ヵ月、ソーシャルワーカー達はあらゆる手を使って、入居者達を社会に出そうと奮闘する。社会の片隅で、もがきながら生きる女性たちを描く。
ウルフズ・コール Le Chant du loup
2019年/116分/監督・脚本:アントナン・ボードリー
キャスト:フランソワ・シヴィル、オマール・シー、マチュー・カソヴィッツ、レダ・カテブ
“黄金の耳”と呼ばれる人並み外れた聴覚を活かし、フランス海軍原子力潜水艦の分析官として従事するシャンテレッド。ある日、シリアでの潜航任務にて彼の判断ミスから危機を招いてしまうが、その際に彼の耳を惑わせたのはこれまでの記録になく、正体不明のまるで“狼の歌”のようなソナー音を放つ艦艇だった。任務後、秘密裏に“狼の歌”の解析に挑むシャンテレッド。だが、ベーリング海よりフランスへ向け核ミサイルが放たれる。相手は“狼の歌”とのことだが果たして…。
他会場開催情報
同志社大学寒梅館
6/25(火)18:00開場/18:30開演
@同志社大学寒梅館 クローバーホール
【オープニングイベント】
上映:『マイ・レボリューション』Tout ce qu’il me reste de la révolution (88分)
ゲスト:ジュディス・デイビス監督
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7/2(火)18:00開場/18:30開演
@同志社大学寒梅館 ハーディーホール
上映:『アデュー・フィリピーヌ』(1962年/110分/35mmプリント上映/ジャック・ロジェ監督)
ゲスト:北小路隆志さん(映画批評)によるレクチャー(上映後)
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シネ・ヌーヴォ
7/7(日)
16:00〜『宝島』L’Ile au trésor (97分)
ゲスト:堀潤之さん(映画研究・表象文化論/関西大学教授)によるトーク(上映後)
18:40〜『日曜日の人々』Les hommes le dimanche(73分)
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【チラシ画像】画像クリックで拡大表示します。
フランス映画祭 2019 in 関西 Festival du film français au Japon 2019
主催:アンスティチュ・フランセ日本
共催:シネ・ヌーヴォ、同志社大学今出川校地学生支援課、出町座
特別協力:ユニフランス・フィルムズ