はじめに、光(Lumière)ありき。
「リュミエール兄弟が製作した映画は、歴史ではなく、人々の生活だ。
そして人々の生活は歴史より、深遠なものである。
だからこれらの映画は、極めて重要なのだ。
われわれの想像力、つまり、今日では「芸術作品」と
好んで呼ばれているものの扉を開けるものであったから」__ジャン・ルノワール
1895年12月28日、パリのグランカフェで世界初のシネマトグラフ興行が行われました。そのことから、この日は“映画の誕生日”ともいわれます。122年後のその日、出町座はオープンします。そのこけら落としに、この作品を上映したいと思いました。
『リュミエール!』を監督した、カンヌ国際映画祭総代表、リヨンのリュミエール研究所の所長であるティエリー・フレモー氏はこの秋の来日で、「日本で最もシネマトグラフにゆかりの場所に行きたい」という意思で元・立誠小学校を訪れました。ここが日本ではじめてシネマトグラフが投影された場所だからです。
わたしたちは、元・立誠小学校で展開していた立誠シネマからの移転で出町座を立ち上げました。
その精神は受け継ぎ、新たなスタートを迎えたい。そんな思いで、『リュミエール!』を上映します。
ティエリー・フレモー氏自らが解説を語るオリジナルナレーション版です。
ぜひ、皆さまにも、出町座の幕開けを、『リュミエール!』で迎えて頂ければ幸いです。
皆さまのお越しを、心よりお待ちしております。
出町座 一同
2016年/フランス/90 分/モノクロ/ビスタ/5.1chデジタル/字幕翻訳:寺尾次郎/字幕監修:古賀太/原題:LUMIERE!
監督・脚本・編集・プロデューサー・ナレーション:ティエリー・フレモー(カンヌ国際映画祭総代表)
製作:リュミエール研究所
編集:トーマス・ヴァレット
プロデューサー:ベルトラン・タヴェルニエ
音楽:カミーユ・サン=サーンス
映像:1895年〜1905年リュミエール研究所(シネマトグラフ短編映画集1,422本の108本より)
キャメラマン:ルイ・リュミエール、アレクサンドル・プロミオ、ガブリエル・ヴェール、フランチェスコ・フェリセッティ、コンスタン・ジレル 、フェリックス・メスギッシュ、シャルル・モワソン