【あらすじ】
本作は『親密さ』という演劇を作り上げていく過程をフィクションとして演じる前半と、実際の上演を記録した後半から成る二部構成を取っている。
令子と良平は新作舞台の上演を間近に控えた演出家である。
コンビで演出をする彼らのやり方は、段々と限界に近づいているように見える。
稽古を繰り返す間に、2人の日常、想い、そして社会はゆっくりとだが、確実に変化していく。
そして舞台劇『親密さ』は始まり、やがて終わる。まるでほんのひと時、
電車同士が並走して別れ去るまでの間のような、彼らの生活。
【解説】
4時間を越える大作だが、ENBUゼミナールの演技コースの修了作品としてスタートした企画である。映画と映画内の舞台劇の関係においてだけでなく、それぞれの中でも、現実と虚構が複雑、微妙に交錯し続け、虚実の彼岸にあるリアリティーの核心が胸を揺さぶる。美し過ぎるラストが、岡本英之の音楽とともに脳裡に焼き付く。
*作品解説:木村建哉(映画研究者)
『親密さ』2012年/日本/255分
監督・脚本:濱口竜介(『ハッピーアワー』)
舞台演出:平野鈴/撮影:北川喜雄/編集:鈴木宏/整音:黄永昌/助監督:佐々木亮介/制作:工藤渉/音楽:岡本英之
製作:ENBUゼミナール
出演:平野鈴、佐藤亮、田山幹雄、伊藤綾子、手塚加奈子、新井徹、菅井義久、香取あき、土谷林福、渡辺拓真、永井孝憲、藤村早苗、今川健吾