2016年に日本でも劇場公開されて話題となった本作品は、1961年に元ナチス党員によってチリに創設され、40年以上にわたり暴行や性虐待、強制労働などの人権侵害が繰り返されてきた実在のカルト組織コロニア・ディグニダ(スペイン語で「尊厳のコロニー」)の実態を描いたサスペンス映画。ヴィラ鴨川のプロダクション助成を受けて、目下京都に滞在しているフロリアン・ガレンベルガー監督のトークと共に、一回限りの特別プログラムとして上映します。
コロニア Colonia
2015年製作/ドイツ・ルクセンブルク・フランス合作/110分
出演:エマ・ワトソン、ダニエル・ブリュール、ミカエル・ニクビスト、リチェンダ・ケアリー
監督:フロリアン・ガレンベルガー
脚本:トルステン・ベンツェル、フロリアン・ガレンベルガー
撮影:コーリャ・ブラント
◆あらすじ◆
フライトでチリを訪れたドイツのキャビンアテンダント・レナは、現地の政情を確認するために滞在していた恋人・ダニエルと束の間の逢瀬を楽しんでいた。しかし、突如チリ軍部によるクーデターが発生。ダニエルは反体制勢力として捕らわれてしまう。レナは、謎の施設<コロニア・ディグニダ>に彼が監禁されたことを突き止めるが、なんとそこは“教皇”と呼ばれるナチスの残党、パウル・シェーファーが軍部と結びつき、神の名の下に暴力で住人を支配する“脱出不可能な”要塞だった。誰からの協力も得られないと悟ったレナは、ダニエルを助け出すため、ひとり無謀な潜入を決心する。果たして、彼女は生きて愛する人を奪還することができるのか―。
Florian Gallenberger フロリアン・ガレンベルガー 映画監督
1972年ミュンヘン生まれ。1991年、ミュンヘンのルートヴィヒ・マクシミリアン大学で哲学と心理学を学び、その後ミュンヘンテレビ映画大学(HFF)の映画監督コースを2000年に卒業。彼の作品はアカデミー賞®、学生アカデミー賞®をはじめ、ドイツ映画賞、バイエルン映画賞のほか、世界中の映画祭で数々の賞を受賞している。2011年、ミュンヘンテレビ映画大学の名誉教授に就任。
2022年からはアレクサンドラ・マリア・ララとともにドイツ映画アカデミーの会長を務めている。ロサンゼルスの映画芸術科学アカデミー、ヨーロッパ映画アカデミーの会員であり、ドイツ映画アカデミーの創立メンバーでもある。また、高IQ者からなる団体MENSAの会員でもある。
◆フィルモグラフィー◆
2024 『A Perfect Match』*脚本・監督
2023 『Murot und das Paradise』*脚本・監督
2021 『It’s Just a Phase, Honey』*共同脚本・監督
2020 『The Turncoat』*共同脚本・監督
2018 『As Green as It Gets』*共同脚本・監督
2016 『コロニア』*脚本・監督・製作
2014 『君がくれたグッドライフ』*製作
2009 『ジョン・ラーベ 〜南京のシンドラー〜』*脚本・監督
2005 『Shadows of Time』*脚本・監督・製作
1999 『Quiero ser(I want to be…)』*脚本・監督・製作
© Bothor
主催:ゲーテ・インスティテュート・ヴィラ鴨川
共催:出町座
特別協力:日活株式会社