ユリシーズ
Ⓒ ikoi films 2024

ユリシーズ

上映スケジュール

2025/8/22(金)より上映開始

料金

通常料金設定

この映画は3部に分かれている。第1部では、マドリードで8歳の息子と2人きりで暮らすロシア人の母親に私たちは出会う。続く第2部では、一人の日本人男性がバスク人の若い女性と知り合う。2人は共に時間を過ごし、彼女は彼を友人たちに紹介する。そして第3部では、舞台は日本に移され、若い男性がお盆の時期に実家に帰省し、亡くなった祖父の霊を迎えるための準備を祖母と共に進めていく…。本作は、そのタイトルが示す通り、ジェームズ・ジョイスの『ユリシーズ』にインスパイアされ、『ユリシーズ』が大きく依拠しているホメロスの『オデュッセイア』を大まかに翻案したものだという。ただ、無論ここではギリシャの英雄の困難な帰郷の旅がそのまま語られているわけではない。むしろここでは「家」や「帰属」といった概念を巡って各々の物語が展開されており、世界の様々な場所での日常生活の断片が曖昧さを残したまま控えめな筆致で描かれている。本作はマルセイユ国際映画祭で初上映され、続いてサン・セバスチャン国際映画祭、東京フィルメックス、全州国際映画祭など主要な国際映画祭に正式出品された。

監督ステートメント

この映画はホメロスの神話『オデュッセイア』を元に、私が出会った人々、体感した時間、その場にいた空間を映画作品として記録していく、ある種の個人史を作るという試みでした。73分という短い映画ですが、この中には私が生きてきた数年間の時間が記録されています。その時間はまた私が映画と向き合ってきた時間でもありました。どうして私は映画を作りたいのか?映画を作ることにはどういう意味があるのか?この映画はそんな問いを発しながら試行錯誤をしてきた一つの成果物だと思います。まだ答えを見つけたわけではありませんが、それでもこの映画を観客の皆さんと共有できる機会をいただけているのが、とても幸せなことだと実感しています。それもまた、この映画に関わってくれた大切な仲間たちのおかげです。

『ユリシーズ』Ulysses
2024/日本、スペイン/日本語、スペイン語、バスク語、ロシア語、英語/73min

出演:アレフティーナ・ティクホノーヴァ、ディミトリ・ティクホノーヴ、エナイツ・スライカ、石井泉、原和子、宇和川輝

監督・編集・宇和川輝
制作・宇和川輝、関野佳介
撮影:宇和川輝、エイヴリー・ドゥンカン、関野佳介
録音:ニコラス・アウジェー、吉川諒
録音助手:ジョアン・パミエス・ジュイス
セノグラファー:板倉勇人
スチール:きい
整音:黄永昌
カラーグレーディング:永井愛華
日本語字幕:新谷和輝
英語字幕:D B アンドレアス
配給:新谷和輝、入江渚月
製作・配給:ikoi films
宣伝協力:プンクテ
宣伝ビジュアル:ラウラ・イバニェス
宣伝デザイン:二宮大輔
製作協力:Elías Querejeta Zine Eskola
企画助成:Ikusmira Berriak

*2024年 マルセイユ国際映画祭 ファーストフィルム・コンペティション
*2024年 サン・セバスチャン国際映画祭 サバルテギ・タバカレラ・コンペティション
*2024年 東京フィルメックス メイド・イン・ジャパン部門
*2025年 全州国際映画祭 インターナショナル・コンペティション
*2025年 ニューガーデン映画祭 パースペクティブ・ナウ部門 オープニング作品