来て わたしのもとへ
彼女の夢をつうじて
この世に災厄をもたらす
恐怖の支配=彼がやってくる
『ウィッチ』で忌まわしき森の魔女の誕生を描き
『ライトハウス』で灯台しかない孤島の狂気を描き
『ノースマン』で北欧のハムレットを野蛮に描き
満を持してロバート・エガース監督が着手した。
1922年ムルナウの『吸血鬼ノスフェラトゥ』に魅せられた幼少期に「いつか自分の手でこれを作るのだ」と決意した。
それが本作である。
忌まわしき災厄をもって彼岸(あちら側)から此岸(こちら側)に舞い降り、世界を支配せんとする闇の存在を、それに魅入られたひとりの女の恍惚と恐れと狂おしく変化する葛藤を、存分に描き出す、これぞ現代の吸血鬼譚。観ればわかる「そうか、そうきたか」という映画。
この忌むべき闇から放たれる美しさをどうぞスクリーンで。
『ノスフェラトゥ』Nosferatu
2024/USA, UK, Hungary/132min
監督・脚本:ロバート・エガース『ライトハウス』『ノースマン 導かれし復讐者』
出演:ビル・スカルスガルド、ニコラス・ホルト、リリー=ローズ・デップ
アーロン・テイラー=ジョンソン、エマ・コリン、ラルフ・アイネソン、サイモン・マクバーニー、ウィレム・デフォー ほか