『鉄西区』『三姉妹 雲南の子』『死霊魂』などで知られる中国出身の世界的ドキュメンタリー監督ワン･ビンの『青春』。
第1部は2023年カンヌ国際映画祭で初上映され、昨年2024年に日本公開された。
そしていま、第2部が『青春-苦』、第3部が『青春-帰』として劇場公開を果たす時が来た。

1部同様、長江デルタ地域の織里（しょくり）という町の縫製工場で働く若者たちの労働と日常が描かれるが、当初からワン･ビン監督は3部作構成を考えていたという。完成は遅れたが、第2部『青春-苦』は2024年8月のロカルノ国際映画祭コンペ部門に出品され、3つの賞を受賞。第3部『青春-帰』は2024年9月のヴェネツィア国際映画祭コンペ部門に出品されて絶賛された。こうしてついに全貌が明らかになった『青春』は、ドキュメンタリー映画史の伝説となっている同監督の『鉄西区』3部作以来のスケールで、ひとつの場所からひとつの時代を捉えた驚くべき傑作となった。ワン･ビン監督の真骨頂と言えるドキュメンタリー『青春』、その第2部『青春-苦』、第3部『青春-帰』の同時公開をどうぞ見届けてください。