我々はリンチの映画に多くのことを負っている。
ついに訪れてしまった彼の死に際し、敬意と追悼の意を表す上映を実施します。

リンチの代表作にして世界を熱狂させた『ツイン･ピークス』が打ち切りになり、その継続を劇場映画に場を移して制作したリンチの長編映画第6作。アメリカ北西部の田舎町ツイン･ピークスで起きたローラ･パーマー殺人事件。彼女が“世界で最も美しい死体”となるまでの7日間を描く。クーパーやリンチ本人が演じるコール捜査官に加え、キーファー･サザーランドとデビッド･ボウイが新たなFBI捜査官として登場する。可憐で冒しがたい美しさを持ちながら、ドラッグや性愛に奔放に明け暮れるローラ･パーマーは、なぜ、誰によって命を奪われなければならなかったのか。そしてこの事件を契機に起こり続ける異常な出来事はいったい何をもたらすのか。決定的な鍵は次々と現れるが、事件の真相を告げる明らかなる真実といったものは儚く消え、ただひたすら甘美と忌まわしき事象がうつろいゆく。永遠とも思えるそのたゆたいこそが、我々がデヴィッド･リンチを観続ける所以である。

どうぞこの貴重な機会にスクリーンで！