第30回東京国際映画祭「アジアの未来」部門出品
作品賞&国際交流基金アジアセンター特別賞 W受賞
新作『海辺の彼女たち』が劇場公開となる藤元明緒監督のデビュー作で、
在日ミャンマー人の移民問題を描いた『僕の帰る場所』を特別上映。
本上映は2月のクーデター以降、軍による市民への弾圧が続くミャンマーへの支援として急遽企画したものです。
本上映でのすべての配給収益は、株式会社E.x.Nよりミャンマー市民を支援する活動に寄付されます。
『僕の帰る場所』をまた映画館で上映できる機会に恵まれたことに感謝を申し上げます。
「映画は限りなく中立的な立場でないといけない」というのが僕のポリシーでしたが、
今は映画を通して一人でも多くの方にミャンマーの事を知ってほしい、
また映画が平和を望む現地の人々に少しでも役立ってほしいと願うほかありません。
親戚や友人、知人がミャンマーで暮らしていて、
圧倒的な絶望を突きつけられる日々ですが、微力ながら支援につながれば幸いです。ーー 藤元明緒(監督)
日本とミャンマー、二つの国で揺れる家族の愛の物語
ある在日ミャンマー人家族に起きた、切なくも心温まる感動の実話。
東京の小さなアパートに住む、母のケインと幼い二人の兄弟。
入国管理局に捕まった夫アイセに代わり、ケインは一人家庭を支えていた。
日本で育ち、母国語を話せない子ども達に、ケインは慣れない日本語で一生懸命愛情を注ぐが、
父に会えないストレスで兄弟はいつも喧嘩ばかり。
ケインはこれからの生活に不安を抱き、ミャンマーに帰りたい想いを募らせてゆくが…。
世界的な関心事項である”移民“という題材を、
ミャンマーでの民主化の流れや在日外国人の家族を取り巻く社会を背景に描く。
出演者の多くには演技経験のないミャンマーの人々を多数起用。
まるでドキュメンタリーを思わせる映像は、ミャンマー人一家の生活を優しく見守りつつ、
彼らが置かれた厳しい環境をありのままに映し出すシビアな眼差しで貫かれている。
東京国際映画祭「アジアの未来」部門では日本人監督初のグランプリと監督賞を、
オランダ・シネマジア映画祭では子役のカウン・ミャッ・トゥが最優秀俳優賞を受賞。
国内外の数々の映画祭に招待上映され、アジアの話題作のひとつとして注目を浴びた。
東京国際映画祭の授賞式では「ある家族の物語を繊細に語ることで、世界中の様々な家族のメタファーとなっている。
フィクションを用い、現実の困難さを素晴らしく芸術的に描き、大変優れた映画的な価値と演技を持つ作品だ」と評された。
2017年/日本・ミャンマー合作/98分
配給:E.x.N
監督・脚本・編集:藤元明緒
プロデューサー:渡邉一孝、吉田文人
共同プロデューサー:キタガワユウキ
撮影:岸健太朗 録音:弥栄裕樹 美術:飯森則裕 ヘアメイク:大江一代 制作担当:半田雅也
出演:カウンミャットゥ、ケインミャットゥ、アイセ、テッミャッナイン、來河侑希、黒宮ニイナ、津田寛治