【特集】新・ベルリン派の真髄 〜アンゲラ・シャーネレク監督との出会い〜

上映スケジュール

3/17(土)〜3/23(金)

1日2コマ(17時台/19時台)全14コマ。
*詳細は下記参照のこと。

料金

鑑賞料金:当日一般1500円/シニア:1100円/学生1000円/出町座会員1000円(予定)
★『イェリヒョウ』のみ当日一般1200円(ほか通常料金設定)

3/18(日)、3/19(月)、3/20(火)
アンゲラ・シャーネレク監督来場、トークイベントを実施。

主催:渋谷哲也 (科研費基盤研究(C)16K02324 「戦後ドイツにおける『作家映画』の系譜」)

【イントロダクション】

「(新)ベルリン派」という21世紀ドイツの作家映画が取り沙汰されて10年以上が経過した。今や「ベルリン派」の名称は一つの歴史となり、個々の作家たちが新たな地平を目指して活動している。ペッツォルトはドイツの歴史と現在と向き合うことでかつてのファスビンダーを志向しているかのようだ。アルスランは移民というキーワードを普遍的な人間のさすらいという観点で捉え直そうとする。そしてペッツォルト、アルスランと並び、アンゲラ・シャーネレクはもっとも先鋭的で独自の映画美学を構築した映画作家である。その研ぎ澄まされた映像表現とストーリーを大胆に切断するナラティヴの手法、シャーネレク本人もどの作家から影響を受けたのか分らないという孤高の作風に触れた時、現代のインディペンデントの非商業路線の極限の姿が見えてくる。今世界でもっとも繊細に感情を捉えられる映画の作り手がシャーネレクだと云ってよい。もちろん映画は映像と音と言葉の積み重ねに過ぎない。だがその表層の奥にある見えないもの、聞こえないもの、すなわち人間そのものへと向かうシャーネレクの映画の意義を今こそ真剣に考えてみるべきではないか。(渋谷哲也)
 

アンゲラ・シャーネレク

Angela Schanelec
1962年、バーデン=ヴュルテンベルク州アーレンに生まれる。1982年から1984年にフランクフルトで俳優になるために学び、その後1991年までケルン、ハンブルク、ベルリン、ボーフムなどドイツ各地の劇場の舞台に立つ。1990年から五年間、ベルリンのドイツ映画テレビアカデミーに学び、95年から独立映画監督として活動を始める。2005年に自身の映画会社を設立する。2012年から現在までハンブルク造形大学の教授を務める。
ベルリンのアカデミー時代から短編映画を発表し、1998年の長編デビュー作『都会の場所』はカンヌ映画祭「ある視点」部門で上映された。2004年作『マルセイユ』は、ドイツ映画批評家賞脚本賞を受賞、2007年作『昼下がり』はアルバ国際映画祭監督賞を受賞した。ドイツの映画監督13名による短編オムニバス映画『ドイツ09』(2009) では最初のエピソードを監督している。無駄を排したミニマルな手法はアントニオーニ、アケルマン、ブレッソンらと比較される。


【タイムテーブル】

【イベント】
★3/18(日)16:55『私の緩やかな人生』上映後、シャーネレク監督舞台挨拶 
★3/19(月)18:50『昼下がり』上映後、20:30〜「シャーネレク監督、自作を語る 1」(司会:渋谷哲也)実施
★3/20(火)18:50『はかな(儚)き道』上映後、20:20〜「シャーネレク監督、自作を語る 2」(司会:渋谷哲也)実施

*3/19(月)、3/20(火)のトークセッションは上映とは別室にて60分程度おこないます。
*トークセッションはどなたでも無料でご参加いただけます。
*定員に達した場合はお入りいただけないことがありますので、あらかじめご了承ください。
*登壇者はやむを得ずキャンセルまたは変更となる場合があります。あらかじめご了承ください。


【上映作品】

*アンゲラ・シャーネレク監督作品


『私の緩やかな人生』 Mein langsames Leben
2001年/オリジナル35㎜(上映はデジタル素材)/85分
脚本・監督・編集:アンゲラ・シャーネレク 撮影:ラインホルト・フォアシュナイダー
出演:ウルズィーナ・ラルディ(ヴァレリー)、アンネ・ティスマー(マリー)
ゾフィー・アイクナー(マリア)、リュディガー・フォーグラー(マリアの父)
ローマに半年間出かける友人の部屋を借りて住むことにしたヴァレリー。彼女の夏はベルリンに留まり論文を仕上げることに費やされる。そこで様々な友人たちが出会い、別れ、すれ違う。まだ若いマリアの結婚式に人々が会し、やがて静かに夏は終わってゆく。



『マルセイユ』 Marseille
2004年/オリジナル35㎜(上映はデジタル素材)/95分
脚本・監督:アンゲラ・シャーネレク  撮影:ラインホルト・フォアシュナイダー
出演:マーレン・エッガート(ゾフィー)、マリー=ルー・ゼレム(ハンナ)
ルイス・シャネレク(アントン)、デヴィット・シュトリーゾフ(イヴァン)
写真家ゾフィーは部屋交換の広告を見て、つかの間のマルセイユに滞在する。やがて舞台はベルリンに移り、ゾフィーの写真の仕事や女優ハンナの息子や恋人と生活が綴られる。恋人との関係に揺れるハンナ。一方ゾフィーはもう一度マルセイユを訪れることにする。



『昼下がり』 Nachmittag
2007年/オリジナル35㎜(上映はデジタル素材)/97分
脚本・監督:アンゲラ・シャーネレク 撮影:ラインホルト・フォアシュナイダー
出演:ジルカ・ツェット(コンスタンティン)、ミリアム・ホルヴィッツ(アグネス)
アンゲラ・シャーネレク(イレーネ)、フリッツ・シェディヴィ(アレックス)
チェーホフの『かもめ』に着想を得て、母、息子、兄、恋人、若い女性の関わり合いを、ある夏の昼下がりに凝縮したドラマ。忠実な脚色というよりも原作のイメージや言葉の切れ端が波紋のように広がり、静かな夏のベルリンを彩ってゆく。



『オルリー』 Orly
2010年/オリジナル35㎜(上映はデジタル素材)/ 82分
脚本・監督:アンゲラ・シャーネレク 撮影:ラインホルト・フォアシュナイダー
出演:ナターシャ・レニエ(ジュリエット)、ブルーノ・トーデシーニ(ヴァンサン)
エレン(ミレイユ・ペリエ)、エミール・ベーリング(ベン)
パリのオルリー空港に集まった何組かの人々に焦点を当て、どこかで繋がっているらしいそれぞれの人生模様を紡いでゆく。行き場を失った魂たちがつかの間触れ合いそして別れていく様を、さりげないカメラワークで追いかけてゆく実験的な群像劇。



『はかな(儚)き道』 Der traumhafte Weg
2016年/DCP/86分
脚本・監督・編集:アンゲラ・シャーネレク 撮影:ラインホルト・フォアシュナイダー
出演:ミリアム・ヤーコプ(テレーズ)、トアビョルン・ビョルンソン(ケネス)、マーレン・エッガート(アリアーネ)、フィル・ヘイズ(ダーヴィット)
1984年一組の男女が路上で歌い、ギリシャの変化を見つめる。やがて男の母が事故で重篤となり、男は重大な決断をする。そして舞台は30年後のベルリン、学者と女優の夫婦が離婚の局面を迎える。人生はまるで夢のように唐突に変化し、はかなく過ぎてゆく。


*クリスティアン・ペッツォルト監督作品


【追加決定!】『イェリヒョウ』 Jerichow
2008年/35㎜(デジタル上映)/92分
脚本・監督:クリスティアン・ペッツォルト  撮影:ハンス・フロム
出演:ベンノ・フューマン(トーマス)、ニーナ・ホス(ラウラ)、ヒルミ・ゼーツァー(アリ)
統一後のドイツ、旧東独小村にトーマスは戻ってくる。彼は亡き母の家に一人で生活し、一帯の軽食店を取りまとめるトルコ系移民のアリと美貌の妻ラウラと知り合う。『郵便配達は二度ベルを鳴らす』を下敷きにしたスリリングな三角関係が幕を開ける。



『あの日のように抱きしめて』 Phoenix
2014年/DCP/98分
監督・脚本:クリスティアン・ペッツォルト 撮影:ハンス・フロム
出演:ニーナ・ホス、ロナルト・ツェアフェルト、ニーナ・クンツェンドルフ
1945年、ベルリン。強制収容所から奇跡的に生き残ったネリーは顔面を喪失した。生き別れになった夫ジョニーは彼女と再会を果たすも、顔の変わった彼女が自分の妻であることに気づかず、収容所で亡くなった妻になりすまして遺産をせしめようと彼女に持ちかける。


*トーマス・アルスラン監督作品

『イン・ザ・シャドウズ』 Im Schatten
2010年/オリジナル35mm(上映はデジタル素材)/85分
監督・脚本:トーマス・アルスラン 撮影/ラインホルト・フォアシュナイダー
出演:ミシェル・マティシェヴィチ、カロリーネ・アイヒホルン、ウーヴェ・ボーム
刑務所を出所したトロヤンは、かつての強盗仲間から仕事の分け前を得ようとするが、かえって命を狙われる。独立を守りたいトロヤンはドーラの手引きによって現金輸送車襲撃を計画する。だがそこに彼を執拗につけ回す汚職刑事が絡み、事件は思いがけない方向に展開する。


★ほか上映作品予定。決定次第掲載します。
★タイムテーブル、ゲスト情報等は決定次第お知らせします。


協力:ゲーテ・インスティトゥート