フランスの写真家マリー・リエスが、10年にわたり国立盲青年協会(パリ盲学校)に通う生徒たちを追ったドキュメンタリーフィルム。生徒たちの音楽活動の日々を追いながら、彼らの個人的な物語に迫る。
タイトル『Note for Note』は、先天性疾患による障害を克服し、フランス最高のジャズ・ピアニストと評価されるほどの成功を収めた、ミシェル・ペトルチアーニのアルバム『Note’n Notes』(1984年)から由来する。
KYOTOGRAPHIEのメインプログラムと連携し、出町座にて本作の上映を行います。
日本語字幕付きで上映される初の機会となります。
ぜひ、展覧会(以下情報ご参照)とあわせて、お楽しみください。
KG展覧会企画紹介
フランスの写真家マリー・リエスは、夫がいつも懐かしそうに語る早逝した全盲の親友の軌跡をたどるべく、親友が生前に通っていたパリ盲学校の生徒たちのポートレートを撮影する。夫の亡き親友に対する「記憶」という形をもたない事象から生まれた、生徒らとマリー・リエスとの写真による交歓は、親友と夫の幼き日の友情や、全盲者と晴眼者の世界をつなぐ、目には見えないけれどどこかに確かにある橋を浮かび上がらせる。会場では写真作品やドキュメンタリー映画に加え、日仏の視覚障害がある人々と共同で制作した「触る」写真も展示し、来場者がそれぞれの感覚で作品を体感する空間となる。
バイオグラフィ
マリー・リエス Marie Liesse
1974年パリ生まれ。法律を学んだのち、アルゼンチンで2年間を過ごすなかで写真と映像への情熱が高まる。パリのゴブラン映像高等教育学校とアトリエ・ヴァランにて写真と映像を学び、フランスのFnacのフォトギャラリー部門に勤務する。 マリー・リエスの作品では子供が主題となる事が多く、子供が持つ想像力、説明しきれないほどの喜び、捉えどころのない不安など、青少年期の情景が描かれている。 彼女は写真・映像・ショートストーリーを通して、青少年期に刹那に変わりゆく個性というものを、ありありと私たちに想い出させる。初ドキュメンタリーショートフィルム「Scrums(スクラムス)」(2018)では、二人の10代のラグビー少女を追い、寓話「おやゆび姫」にインスパイアされた共著『Le jour où je serai grande(大きくなったら)』も2020年出版された。 10年にわたり国立パリ盲学校に通う盲目の生徒たちの日々を追い、共著の写真集『A Letter to Jean-Lin(ジャン=ランへの手紙)』を上梓、彼らの物語を追ったドキュメンタリーフィルム「Note for Note」も制作、KYOTOGRAPHIE2020で写真作品と併せて発表する。
展覧会情報
展覧会タイトル:二つの世界を繋ぐ橋の物語
supported by L’OCCITANE with the patronage of JANPIA
キュレーター:天田万里奈
場所:アトリエみつしま Sawa-Tadori
京都市北区紫野下門前町44
11:00 – 18:00|休:9/28、10/5、12
*入場は閉館の30分前まで。
▼展覧会情報詳細はこちら▼
https://www.kyotographie.jp/exhibitions/marie-liesse-1/
2019/France/57分
英題:note for note