肌蹴る光線 -あたらしい映画- 特集

上映スケジュール

2020/8/21(金)〜8/30(日)

8/21(金)19:00(〜20:25終)『コジョーの埋葬』
8/22(土)19:00(〜20:17終)『ひとつのバガテル』
8/23(日)19:00(〜20:13終)『幸せな人生からの拾遺集』
8/24(月)19:00(〜20:25終)『コジョーの埋葬』
8/25(火)19:00(〜20:13終)『幸せな人生からの拾遺集』
8/26(水)19:00(〜20:17終)『ひとつのバガテル』
8/27(木)19:00(〜20:31終)『カメラになった男—写真家 中平卓馬』
8/28(金)18:30(〜20:10終)『JOHN FROM(ジョン・フロム)』
8/29(土)18:30(〜20:05終)『カメラになった男—写真家 中平卓馬』
8/30(日)18:30(〜20:10終)『JOHN FROM(ジョン・フロム)』
*8/30で終映

料金

通常料金設定

【トーク】8/22(土)
登壇:井戸沼紀美さん(肌蹴る光線 主催)× 堀部篤史さん(誠光社)
8/22(土)19:00-『ひとつのバガテル』上映後

公式サイト


 

上映機会の少ない傑作映画を発掘し、広めることを目的として、2018年に発足した上映シリーズ〈肌蹴る光線 -あたらしい映画-〉。洋邦や、制作年を問わない柔軟な選定を特色とし、東京と京都でイベントを開催されてきました。今回は〈肌蹴る光線〉がこれまでに紹介してきた映画の中から5作をピックアップしてアンコール上映いたします。誠光社では同時期にジョナス・メカスによる289分の作品『リトアニアとソ連の崩壊』の投影も行われる予定。この機会にぜひ、足をお運びください。

 


 

ひとつのバガテル

清原惟 2015年/日本/72分
東京藝術大学大学院の修了制作として完成された『わたしたちの家』で、日本のみならず世界から熱視線を集めた清原惟監督の初期作。団地でピアノのある部屋を間借りして暮らしているアキが、部屋に残された音の記憶をたよりに、自分の音楽をみつけようとする物語。「名曲喫茶ライオン」の内装や美しい鍵盤の旋律、果物や花の配置も印象的。

 


 

幸せな人生からの拾遺集

ジョナス・メカス 2012年/アメリカ/68分 *本作は字幕なし上映、翻訳シナリオ資料配布いたします。
主に2000年までのメカス作品で使われなかったシーンの数々で構成される映画。15歳の少女・ダイアンがメカス宛に送った手紙が度々抜粋されるほか、ウィリアム・バロウズ、ロバート・フランクらも登場。メカスが「更けゆく夜に働くフィルムメーカーの孤独」を語り、自作のイメージたちは「記憶ではなく現実」と言い切る、自伝的要素も含んだ重要作。

 


 

JOHN FROM(ジョン・フロム)

ジョアン・ニコラウ 2015年/ポルトガル/100分
『肌蹴る光線』で日本初上映された青春映画。リスボンの団地に住む 15歳のリタが、親友のサラと、新しく越してきたシン グルファザーの写真家・フィリペとの関係を通して、退屈な日々からの脱出を試みる。 海外サイトでは同作を「ポルトガル版の『ゴーストワールド』」と評する声も。撮影は16mmフィルムで行われており、劇中ではLily Allen、Papa Mなどの楽曲が使用されている。

 


 

カメラになった男—写真家 中平卓馬

小原真史 2003年/日本/91分
1977年に急性アルコール中毒で昏倒し、記憶と言葉の大部分を失うこととなった写真家・ 中平卓馬に3年間密着して撮影されたドキュメンタリー映画。中平が横浜の自宅周辺で写真撮影をする姿や、沖縄を訪問する様子などを捉えており、劇中には森山大道、東松照明、港千尋、荒木経惟、高良勉らも登場。「剝き身の人間」を目撃するような、圧倒的な映像体験。

 


 

コジョーの埋葬

ブリッツ・バザウレ 2018年/ガーナ/80分
ガーナ映画として初めてNetflixで配信され、同じくガーナ映画として初めてゴールデングローブ賞にノミネートされた作品。少女・エシと、その父コジョー、叔父クワベナを巡る物語で、ラッパーとしても活動するバザウレ監督が、KICKSTARTERでの資金集めを経て作り上げたデビュー作。『ブラックパンサー』のライアン・クーグラー監督からも手引きを受けていたことが明かされている。


 

関連企画

出町座での特集にあわせて、誠光社(河原町丸太町)では8月16日〜8月30日までの営業時間中、ジョナス・メカスによる289分の作品『リトアニアとソ連の崩壊』(2008年)が店内の壁に投影されます。同作は、詩人であり映画作家のジョナス・メカスが、ソ連が崩壊し、祖国リトアニアを含むバルト三国が独立するまでのアメリカのテレビ報道の様子をひたすらに映した作品です。撮影は89年から91年まで、SONYのデジタルカメラで行われています。編集は『幸せな人生からの拾遺集』でも編集アシスタントとしてクレジットされたエル・バーチルが務めています。同作は2009年のロッテルダム国際映画祭で世界初公開され、今年1月にはイタリア・ミラノの出版社「Humboldt Books」から、同作の内容をつぶさに記録した書籍『Transcript 04 44’ 14”: Lithuania and the Collapse of the USSR』が発売されています。91年に「ソ連8月クーデター」が起こった際、メカスは偶然にも日本に来日しており、8月末までを帯広、山形、東京で過ごしました。29年前の同じ時期に思いを馳せながら、ぜひ多くの方に作品をご覧いただけましたら幸いです。

『リトアニアとソ連の崩壊』を観る八月

2020年8月16日(日)〜8月30日(日)
会場:誠光社(河原町丸太町)
時間:10:00〜20:00
営業日:無休
*臨時休業の際はお知らせ欄、twitterにて告知いたします。
*映画は4つのパートに分かれており、パートが終わるごとにディスクの変換がございます。
*プロジェクターで本編を白壁に投射する形となります。


 

チラシ画像(クリックで拡大します)