『心』2007年/64分/監督:月川翔(1期・修了作品)
『イエローキッド』2009年/106分/監督:真利子哲也(3期・修了作品)
〈アニメーション専攻傑作選〉(60分予定)
『放課後倶楽部』2017年/監督:鈴木冴/脚本:高徳宥介(13期・夏期実習制作)
『小さな声で囁いて』2018年/110分/監督:山本英(12期・修了作品)
『向こうの家』2018年/82分/監督:西川達郎(12期・修了作品)
『Blood Echo』2018年/55分/監督:加藤直輝/*長嶌寛幸教授アフタートークあり
9/28の入試説明会を前に、広く一般に向けて関連特集上映を実施します。『ハッピーアワー』『寝ても覚めても』の濱口竜介監督をはじめ、いまや世界を舞台に活躍する映画クリエイターを輩出し続ける映像研究科。今回は『君の膵臓をたべたい』『響-HIBIKI-』 の月川翔監督、『ディストラクション・ベイビーズ』『宮本から君へ』の真利子監督による修了作品から、山本英監督、西川達郎監督による最新の修了作品、和田淳監督『わからないブタ』、見里朝希監督『マイリトルゴート』等のエポックな作品を輩出し続けるアニメーション専攻で制作された傑作集、また映像研究科の教授や出身者を中心に制作にあたったエクスペリメンタルな作品『Blood Echo』までを日替わりでご紹介します。
どうぞこの機会に、映画表現の未来を担う作品たちに出会ってください。
【上映プログラム】
心
2007年(映像研究科1期修了作品)/64分/16:9/stereo/カラー/監督:月川翔
7歳の少年がマンションの最上階から消火器を落下させ、主婦を死亡させる事件が発生した。だが加害者が若年齢であったため誰も罪に問われることはなかった。10年後、女児ばかりを狙った殺人事件が相次ぐ。捜査線上に浮かんだのは消火器事件で加害者となった少年。一方目撃者は消火器事件の被害者家族だった。再び加害者家族と被害者家族に接点が生まれ、法で裁かれなかった罪を裁こうとするモラルと、報復を阻止しようとするモラルがぶつかり合う。邦画メジャーの最前線で『君の膵臓をたべたい』などのヒットを飛ばし、『響 -HIBIKI-』『きみは月夜に光り輝く』などの良作をコンスタントに打ち出し続ける月川翔の映像研究科修了作品を貴重な特別上映。
監督・脚本・編集:月川翔(『君の膵臓をたべたい』『響 -HIBIKI-』『きみは月夜に光り輝く』)
製作:筒井龍平 撮影:定者如文 美術:金林剛 録音:森永泰弘 音楽:平本正宏 脚本協力:和田清人
出演:利重剛、伊藤栄之進、原野々花、斎藤歩、役所広司
月川監督の最新作『劇場版 そして、生きる』(脚本:岡田恵和/出演:有村架純、坂口健太郎)を9/28(土)より出町座で公開!
併映:『放課後倶楽部』(2017年/監督:鈴木冴/脚本:高徳宥介/15分)
夏期撮影実習にて脚本領域が脚本を担当し、監督領域がそれを映像化していくという過程で制作された短編。鈴木冴監督は13期修了制作『神様のいるところ』を完成し、本年10月開催の第24回釜山国際映画祭の「New Currents」でワールドプレミア上映されることになった注目の新進監督です。
イエローキッド
2009年(映像研究科1期修了作品)/106分/監督:真利子哲也(『ディストラクション・ベイビーズ』『宮本から君へ』)
早くに両親を亡くし、祖父母に育てられた田村(遠藤要)は、一人で痴呆症の祖母の面倒を見ながら暮らしている。ボクサー志望の彼の唯一の希望はボクシングだけだったが、たちの悪い先輩(玉井英棋)に目を付けられていた。ある日、彼が通うボクシングジムに漫画家の服部(岩瀬亮)が取材に訪れ……。自主制作『極東のマンション』『マリコ三十騎』で話題を呼び、柳楽優弥主演『ディストラクション・ベイビーズ』で世界を驚かせ、本年は『宮本から君へ』を手がける気鋭の映画監督・真利子哲也。劇場公開を果たした映像研究科の修了作品『イエロー・キッド』を特別上映!
監督・脚本:真利子哲也
出演:遠藤要、岩瀬亮、町田マリー、波岡一喜、玉井英棋、三浦力、でんでん、小野敦子、酒井健太郎、吉増裕士、中島朋人、内木英二
〈アニメーション専攻傑作選〉(59分)
映像研究科アニメーション専攻からは山村浩二教授(『頭山』『カフカ 田舎医者』『マイブリッジの糸』等)ら講師陣に指導を受けた研究生の傑作選を。和田淳監督『わからないブタ』、見里朝希監督『マイリトルゴート』等のエポックな作品群を、ぜひお楽しみください。
『就活狂想曲』作・吉田まほ/07:27/2012年
『SOUTH FOREST』作・黄ブンエイ/06:48/2017年
『マイリトルゴート』作・見里朝希/10:13/2018年
『ふりだし』作・清家美佳/08:22/2016年
『コップの中の子牛』作・朱ゲンドウ/11:08/2014年
『その家の名前』作・坂上直/04:31/2015年
『わからないブタ』作・和田淳/10:10/2010年
(合計 58:29)
小さな声で囁いて
2018年(12期修了作品)/110分/山本英監督
監督・脚本:山本英
脚本:山崎陽平 プロデューサー:佐野大 撮影:李子瑶 照明:薛白 サウンドデザイン:織笠想真 美術:加藤瑶子 衣装:栗田珠似 音楽:村貫誠 編集:丹羽真結子 タイトルデザイン:太田佳吾
出演:大場みなみ、飯田芳、山崎陽平、中野目理恵、小倉一郎、レイ・アルフォンソ正田、熱海釜山レイ、正木凪碧、正木碧
心がすれ違うカップルの熱海旅行を通し、それぞれの愛や自身の行方を描いた一作。結婚を考え始めた遼と、結婚には乗り気ではない沙良。2人は互いの溝を埋めようと3泊4日で熱海に旅行へ出かけるが、旅の間も心はすれ違うばかり。2人は漠然とした将来への不安から、未来図を描けずにいたが……。ぴあフィルムフェスティバル・PFFアワード2018へ選出されたのをはじめ、マルセイユ国際映画祭、全州国際映画祭など海外にも巡回し、この3月にポレポレ東中野で劇場公開を果たした。
向こうの家
2018年(12期修了作品)/82分/西川達郎監督
監督・原案:西川達郎
プロデューサー:関口海音 脚本:川原杏奈 撮影:袮津尚輝 照明:小海祈 美術:古屋ひな子 サウンドデザイン:三好悠介 編集:王晶晶 音楽:大橋征人
出演:望月歩、大谷麻衣、生津徹、南久松真奈、円井わん、植田まひる、小日向星一、竹本みき、でんでん
自分の家庭は幸せだ、と思っていた高校二年生の森田萩(17)。しかし父親の芳郎(49)にはもう一つの家があった。「萩に手伝ってもらわなきゃいけないことがある」芳郎の頼みで、萩は父親が不倫相手の向井瞳子(36)と別れるのと手伝うことに。自分の家と瞳子さんの家、二つの家を行き来するようになった萩は段々と大人の事情に気づいていく……。ええじゃないかとよはし映画祭2019グランプリ受賞、第19回TAMA NEW WAVEベスト男優賞受賞など、日本各地の映画祭を席巻、好評を博した本作は、この10月にシアターイメージフォ−ラムで劇場公開を果たす。
Blood Echo
2018年/55分/加藤直輝監督
企画:シニギワ(長嶌寛幸+松井茂)
監督+編集:加藤直輝
脚本:加藤直輝、増田圭祐 撮影:定者如文 録音+サウンドデザイン:清水裕紀子 効果:渋谷圭介(Cinema Sound Works) 音楽+サウンドデザイン・スーパーバイザー:長嶌寛幸 編集+合成:鈴木宏/衣装:星健介(REVERBERATE)
出演:笠島智、鈴木将一朗、林亮佑、石井順也、望月めいり、Akihide Monna、Ryo Hamamoto、岡本英之
※この映画はJSPS科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)(基盤研究(C))(課題番号 15K02167)「オールアフレコを用いた次世代サウンドデザインの物語表現研究」の研究成果物として制作されました。
原爆が落とされた100年後。大地が崩れ、海が割れ、先送りされた責任が破裂した。溢れる死病と死体と呪い。やがて焼跡から希望が生まれる。YKHM City─人々が望んだ理想郷。そこは秩序と調和に統治された地上の楽園となった。Cityの西に深い森があった。汚染が酷く棲み着くのは大鎌を担いだ亡者と無垢な息子だけ。親子は自分達だけのルールに従い、肉を喰べず、血を崇め、大地に畏れと哀れみを捧げる日々を送っていた。ある日、森に女が逃げてくる……。加藤直輝による中編作品。長嶌寛幸、清水裕紀子との作業により初のオールアフレコ、5.1ch作品となる。前作『2045 Blood Echo Carnival Folklore』の前日譚として制作された。
上映後、長嶌寛幸教授(東京藝術大学大学院 映像研究科)トークあり。
東京藝術大学大学院映像研究科入試説明会(2020年度入試用)
Special Screening Week;
Graduate School of Film and New Media, Tokyo University of the Arts