サイドマン:スターを輝かせた男たち
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サイドマン:スターを輝かせた男たち

上映スケジュール

1/20(日)〜2/8(金)

1/20(日)〜1/25(金)15:30(〜16:55終)
1/26(土)15:00(〜16:25終)
1/27(日)18:50(〜20:15終)
1/28(月)〜2/1(金)15:00(〜16:25終)
2/2(土)〜2/8(金)10:15(〜11:40終)
*2/8(金)で終映。

料金

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ビッグ・アーティストの素晴らしい音楽は、それを支えてきた寡黙なサイドマンの働きを抜きにして語ることはできない。

本作は、歴史を作り上げた三人のサイドマンのドラマティックな音楽人生を描いたドキュメンタリーである。

*オリジナル予告(日本語字幕なし)。日本版でき次第差し替えます。


彼らの素晴らしさやブルースの魅力について、キース・リチャーズ、エリック・クラプトン、ジョニー・ウィンター、ボニー・レイット、ジョー・ペリーほか、音楽業界の第一線を彩る多数のミュージシャンが語る。 2011年にこの世を去った三人の亡くなる前のラスト・インタビュー、そして最後の共演となった貴重なステージ映像も収録。ブルース・ファン、ロック・ファンのみならず、すべての音楽愛好家に捧げる至極のドキュメンタリー。

エルヴィス・プレリーにはスコティ・ムーアとビル・ブラックとD.J.フォンタナがいた。チャック・ベリーにはジョニー・ジョンソン、ローリング・ストーンズにはイアン・スチュワート。そしてジミ・ヘンドリックス(本作に登場する)にもノエル・レディング、ミッチ・ミッチェルがいた。そう、彼らはビッグ・アーティストの音楽をしっかりと支えるサポート・ミュージシャン、“サイドマン”なのだ。サイドマンの存在抜きにして大スター達の音楽の本質は語れない。1950年代中期にアメリカで開花したロックンロール、その10年後に世界を制覇したブリテッシュ・ロック、この現代のロックのルーツはブルースだ。20世紀が生んだアメリカの文化、ブルースをアメリカ全土からイギリスへ、そして世界中に浸透させた巨人として忘れられないのがマディ・ウォーターズとハウリン・ウルフだ。二人は素晴らしい作品を次々に誕生させながら強烈なステージでファンを魅了した。そのレコーディングやライヴでマディをサポートしていたのがパイントップトップ・パーキースとウィリー“ビッグ・アイズ”スミス。そしてウルフのギタリストを務めたのがヒューバート・サムリン。本作はブルース界のサイドマンとして今日の音楽の基盤を築き上げた3人の足跡を見事に描いた音楽映画である。(Notes by Mike Moshitani/越谷 政義)


作品について
2008年の夏、ハウリン・ウルフとマディ・ウォーターズのバンドメンバーの最後の生存者だった伝説的ブルースマンたちが、スコット・ローゼンバウム監督の長編映画「The Perfect Age of Rock ‘n’ Roll」にカメオ出演するために集められた。パイントップ・パーキンスとウィリー・“ビッグ・アイズ”・スミス、ヒューバート・サムリンがキャスティングされたのは、彼らがブルースを通したロックンロールの進化というこの作品の重要なサブプロットを強調できる、信頼できるミュージシャンだったからだ。制作の休憩時間中、ブルースマンたちはそのほとんどをツアーで費やした人生について語り、その話はローゼンバウムをワクワクさせた。伝説的ミュージシャンのロバート・ジョンソンやハウリン・ウルフ、強い影響力を持ったマディ・ウォーターズとその信奉者だったジミ・ヘンドリックスやザ・ローリング・ストーンズらとの話など、彼らの経験値は監督の創造性を刺激した。撮影の合間に、サムリンはローゼンバウムを野外ステージに呼び 寄せ、自分たちは再び何か一緒にやることになる気がするよと、予言めいたことを告げた。瞬時に、長年監督の中で芽生えていたアイディアがしっかりと根を張った。
ブルースマンたちのブッキング・エージェントだったヒュー・サザードがローゼンバウムにコンタクトし、伝説的ミュージシャンである彼らをフィーチャーしたワールドツアーを盛り上げるため映画の名前を貸して くれるよう頼んだ時、コンセプトが完成した。マーティン・スコセッシ監督からザ・バンドへの別れのあいさつである「ラスト・ワルツ」を見て育ったローゼンバウムは、年老いたブルースマンたちの人生と音楽的遺産を同じように称える映画を作りたかった。パイントップとヒューバート、ウィリー・“ビッグ・アイズ”が、シュガー・ブルー、ロバート・ストロガー、ボブ・マーゴリンとともにザ・パーフェクト・エイジ・オブ・ロックンロール・ブルース・バンドとしてツアーに出た際、ローゼンバウムとプロデューサーのジェイシン・カディック、トニー・グラツィア、ジョー・ホワイトは、その重要な瞬間を、過ぎてしまう歴史を捉えようと決意した。以降3年間、ローゼンバウムたちはこのブルースのレジェンドたちを追いかけ、ライヴ演奏や歴史的なグラミー賞受賞、何十もの詳細なインタビュー、無数の舞台裏のひと時を撮影し、彼らのツアー生活を記録した。残念ながら、2011 年にウィリー、パイン、ヒューバートが亡くなったことにより、「ラスト・ワルツ」のようなスタイルを目指した作品の初期の構想は変化した。レジェンドである彼らが、自分たちの影響を色濃く受けたミュージシャンとともに、クラシックブルースの楽曲をライヴ演奏するのを 捉える、という構想である。しかし幸運にも、これらのセッション演奏のいくつかは、彼らが亡くなる前に撮影されていた。その貴重な瞬間は、後に続く24以上のブルース/ロック界の大物たちとのインタビューで称賛されており、そこには3人が長年のキャリアを通じて生み出してきた、純粋な影響と非常に強い敬愛 の念が表れている。

ドアーズやオールマン・ブラザーズ・バンド、ポール・バターフィールド・ブルース・バンド、エアロスミス、デイヴ・マシューズ・バンドのメンバーや、ボニー・レイット、ジョニー・ウィンター、ボビー・ラッ シュ、シェメキア・コープランドなどのアーティストが、パイントップたちについての私的な思い、共演した思い出、自らのキャリアに3人が与えた影響について語る。ウィリーとパイン、ヒューバートは、どのように記憶されたいかと尋ねられると一貫してこう言った。ブルースを生かし続けた者として、また若い世代 のミュージシャンのインスピレーションとなった者として記憶に残されたい、と。ブルースの信奉者である ジョー・ボナマッサ、エリック・ゲイルズ、ウォーレン・ヘインズ、ケニー・ウェイン・シェパード、デレク・トラックスとのインタビューは、3人の残した偉業が今なお健在であることを証明している。これらの ミュージシャンの何人かは撮影で、今は亡きブルースのレジェンドたちに捧げる情熱的なソロ演奏まで披露している。ブルース発祥の地であり、伝説的ブルースマンである彼らが生まれた場所でもあるミシシッピデルタの忘れがたい描写が、歴史を取り上げた迫力ある本作にアクセントを加えている。本作は、初期のデルタ/シカゴのブルースマンの最後の3人の成功や悲劇、恐るべき粘り強さを捉えており、全ポピュラー音楽の起源への最後の繫がりそのものである重要な遺産を、映像に留めている。


監督のコメント
私はずっと音楽が大好きだった。私のおじはウッドストックに行ったことがあり、ドラムを演奏し、素晴らしいレコードのコレクションを持っていた。子供の頃の私にとって、おじはそういう男だった。おじのおかげでザ・ビートルズやストーンズ、レッド・ツェッペリン、ドアーズ、ザ・フー、ザ・バンドに夢中になった。おじにもらったレコードでお気に入りだったのが、ザ・ローリング・ストーンズの「ラヴ・ユー・ライヴ」だ。中でも「マニッシュ・ボーイ」という曲が特に好きだった。その後おじは私に、ザ・バンドのフェアウェル・コンサートを収めたマーティン・スコセッシ監督の映画「ラスト・ワルツ」を見せてくれ、私はそこで初めてマディ・ウォーターズを目にした。彼は、ザ・ローリング・ストーンズの「マニッシュ・ボーイ」を演奏していた。「マニッシュ・ボーイ」はマディ・ウォーターズのスタンダード曲で、ブルースだったと分かると、私は驚き夢中になった。それ以来私は、自分の好きな音楽にブルースが与えた影響や、豊かなブルースの歴史と神話に魅せられ続けてきた。最初の映画「The Perfect Age of Rock ‘n’ Roll」を作る機会に恵まれた際、ロックとブルースの繫がりは不可欠なテーマとなった。その結果、偉大なマディ・ウォーターズとハウリン・ウルフのサイドマンたちをカメオ出演させたいと思うに至った。ありがたいことにそれが実現し、私はセット上で初めてパイントップ・パーキンスとヒューバート・サムリン、ウィリー・“ビッグ・アイズ”・スミスに対面した。
3人から驚きのストーリーを数々聞いた私は、この男たちを、そして彼らもその一部である大いなる遺産を称える映画を作りたいと思った。最初の構想は、偉大なブルースミュージシャンである彼らを中心的なバンドとして据え、私が子供の頃から大好きだった偉大なブルースの楽曲をカバーし、多くの場合において有名にしたロック/ブルース界のスターたちと組ませることに重点を置いた、「ラスト・ワルツ」スタイルのコンサート映画を撮ることだった。だが、運命のいたずらで完成したのが「Sidemen: Long Road To Glory」だ。私達の作った映画が、驚くべきミュージシャンである彼らと、彼らが共演したバンドリーダーたち、そして彼らが遺した大いなる遺産にふさわしいものであることを願っている。

スコット・ローゼンバウム

2016年/アメリカ/80 分/原題:Sideman:LONG ROAD TO THE GLORY

監督:スコット・ローゼンバウム
脚本:スコット・ローゼンバウム、ジャシーン・キャディック
ナレーション:マーク・マロン
製作:ジャシーン・キャディック、エメット・ジェームズ、ジョー・ホワイト、トニー・グラジア、スコット・ローゼンバウム

出演:パイントップトップ・パーキンス ウィリー“ビック・アイズ”スミス ヒューバート・サムリン
グレッグ・オールマン、ジョー・ボナマッサ、シェメキア・コープランド、ロビー・クリーガー
ジョー・ペリー、ボニー・レイット、ケニー・ウェイン・シェパード、ティム・レイノルズ
スーザン・テデスキ、デレク・トラックス、ジョニー・ウィンター、ポール・ネルソン
ボビー・ラッシュ、スコット・シャラード、ウォーレン・ヘインズ
エリック・クラプトン、キース・リチャーズ and more