自由すぎて深すぎる
パフォーマンス・アートの世界へようこそ
現代美術において最もエネルギッシュで
不可欠なジャンルへと進化を遂げた パフォーマンス・アート 。
シーンを創造し、革新してきた先駆者たちのドキュメンタリー
4プログラム5作品をラインナップ!全作品日本劇場初公開!
上映作品

Program.A カニングハム Cunningham
★日本劇場初公開
2019/Germany,France,USA/93min
監督・脚本・編集:アラ・コフガン 撮影:ムコ・マルハシアン 音楽:フォルカー・ベルテルマン
出演:マース・カニングハム、キャロリン・ブラウン、ジョン・ケージ、アシュリー・チェン、ロバート・ラウシェンバーグ
2023年イタリア賞(テレビ・パフォーミングアーツ部門)受賞
2019年バーデン=ヴュルテンベルク映画祭 最優秀ドキュメンタリー賞
2019年ハンプトンズ国際映画祭ゴールデン・スターフィッシュ賞特別賞
ダンスの概念を根本から再定義した革命家マース・カニングハム。「音楽と振付は独立して存在する」という画期的な哲学や、偶然性を振付に取り入れる手法などにより、ダンスの新領域を切り開くパフォーマンスで世界に衝撃を与えてきた。本作は彼の生誕100周年を記念し、活動の軌跡を追ったドキュメンタリー。未公開のアーカイブ映像を通して、彼の哲学や肉声に触れ、生涯のパートナーであった前衛音楽の巨人ジョン・ケージや、ロバート・ラウシェンバーグ、アンディ・ウォーホルら20世紀を代表する芸術家たちとの協働の裏側に迫る。そして、無名だった1944年から名声を確立する1972年までの約30年間に生み出された14の代表作を現代のダンサーたちが再演。ビルの屋上や深い森の中など、規格外のロケーションで空間と身体が躍動する。

©️ Marielle Nitoslawska
Program.B ブレイキング・ザ・フレーム Breaking the Frame
★日本劇場初公開
2012/USA/100min
監督・脚本・撮影:マリエル・ニトスラウスカ 編集:モニーク・ダルトン
出演:キャロリー・シュニーマン、ジェームズ・テニー
パフォーマンス・アートやフェミニズム・アートの先駆者として50年以上にわたり活動し、現代の身体芸術やジェンダー表現に多大な影響を与えたキャロリー・シュニーマン。本作は、その生涯と芸術 世界を実験的なアプローチで描いたポートレート・ドキュメンタリー。抽象画家としてキャリアを開始した彼女は、やがて自らの身体を素材として用い、1975年にフェミニズム・アートにおける極めて重要で過激なパフォーマンス《Interior Scroll(体内の巻物)》を発表。女性への身体的抑圧に抵抗した作品群は、男性優位の美術界で女性のセクシュアリティや肉体性を生々しく提示し、世間に大きな衝撃を与えた。タブーに挑み続けたシュニーマンが感じた孤独や怒り、作品にかける情熱が、彼女の作品記録や絵日記、そして彼女の語る言葉によって浮き彫りになる。

©️ INA
Program.C-1 ある日、ピナは尋ねた… Un jour Pina a demandé…
★日本劇場初公開
1983/USA/58min
監督:シャンタル・アケルマン 撮影:リュック・ベナムー、バーベット・マンゴール 編集:ドミニク・フォルジュ、パトリック・ミモーニ
出演:ピナ・バウシュ、シャンタル・アケルマン、ヤコブ・アナセン、アンヌ=マリー・ベナティ、ベネディクト・ビリエ、市田京美
ドイツ表現主義舞踏の流れを汲み、ダンスと演劇を融合した“タンツテアター”を現代に確立した、コンテンポラリー・ダンスの巨匠ピナ・バウシュ。本作は、映画史に名を刻む名匠シャンタル・アケルマンがバウシュ率いるヴッパタール舞踊団の欧州ツアーに同行して作り上げたドキュメンタリー。説明的な手法を最小限に抑え、アケルマンの特徴である静謐な固定カメラと長回しを中心に構成。『コンタクトホーフ』や『カーネーション』といったバウシュの代表作の断片とともに、リハーサル時のダンサーたちの身体の躍動や息遣いや、舞台裏の何気ない時間が切り取られている。タイトルの『Un jour Pina a demandé…(ある日、ピナは尋ねた…)』は、バウシュがダンサーに個人的な質問や課題を与え、そこから動きを引き出していく独自の振付手法に由来する。

©️ Oliver Husain
Program.C-2 ピンク・シュレンマー Pink Schlemmer
★日本劇場初公開
2025/Canada/12min
監督・撮影・編集・アニメーション:オリバー・フサイン
出演:タンヴィール・アラム
第76回ベルリン国際映画祭 フォーラム・エクスパンデッド部門出品
2024年、トロントのゲーテ・インスティトゥートの保管庫から『マン、アンド、マスク:オスカー、シュレンマーとバウハウスの舞台』の古いプリントが発見された。1969年に制作されたこの作品は、1925年頃にバウハウスでオスカー・シュレンマーが試みた前衛的な舞台・ダンス作品を再現し映像として記録した作品で、フィルムは経年劣化で鮮やかなピンクとマゼンタに染まっていた。本作はこの華やかな色調を手がかりとし、パフォーマンス・アートの源流のひとつして位置付けられるバウハウスの舞台工房を率いたシュレンマーのダンス、舞台表現、思想、そしてその影響を再解釈する。

A still from Nam June Paik: Moon is the Oldest TV by Amanda Kim, an official selection of the U.S. Documentary Competition at the 2023 Sundance Film Festival. Courtesy of Sundance Institute. ©️ NamJune LLC
Program.D ナム・ジュン・パイク 月は最古のTV Nam June Paik: Moon Is the Oldest TV
★日本劇場初公開
2023/USA/107min
監督:アマンダ・キム 撮影:ネルソン・ウォーカー 編集:タリン・グールド テーマ音楽:坂本龍一
出演:ナム・ジュン・パイク、スティーヴン・ユァン(朗読)、ジョン・ケージ、ヨーゼフ・ボイス、シャーロット・モーマン、マリーナ・アブラモヴィッチ、久保田成子
サンダンス映画祭2023 正式出品
2023年 MoMA Doc Fortnight 選出
2023年 ガーディアン誌ベスト映画 選出
“ビデオ・アートの父”と称されるナム・ジュン・パイク。彼はアートとテクノロジーの境界を破壊し、インターネット普及のはるか前にデジタル社会の到来を予見した。本作は、彼のパフォーマンス映像や手記(俳優スティーヴン・ユァンによる朗読)などの膨大なアーカイブを紐解きながら、韓国から日本、ドイツ、アメリカへと渡り歩いた彼の生涯と、先駆的な活動やビジョンに迫る。彼が生み出した人々の想像を超えるアートがいかにして当時の大衆文化と交差したかが描かれるとともに、彼の人生を変えたジョン・ケージとの出会い、ヨーゼフ・ボイスやシャーロット・モーマンらとの過激なコラボレーションなど、フルクサスをはじめとした60年代から70年代にかけてのパフォーマンス・アートのムーブメントとの深い関わりも浮き彫りとなる。