タル・ベーラはいかにして 唯一無二の映画作家になったのかー
伝説の『サタンタンゴ』以前の足跡をたどる
日本初公開3作を4Kデジタル・レストア版で一挙上映
タル・ベーラ監督が初期に手がけた 『ダムネーション/天罰』、『ファミリー・ネスト』、『アウトサイダー』の3作
94年に手がけた全150カット、上映時間7時間18分の伝説的傑作『サタンタンゴ』に至るまでの軌跡をたどることができる
伝説前夜のラインナップとなっている。
いずれの作品も今回日本初公開であり、4Kデジタル・レストア版で一挙上映する。
タル・ベーラがいかにして唯一無二の 映画作家となったのか……ぜひ自ら確かめてください。
ダムネーション/天罰
1988年/モノクロ/121分
『サタンタンゴ』原作者であり、本作以降すべての作品で共同作業を行う作家クラスナホルカイ・ラースローがはじめて脚本を手がけた。さらに『秋の暦』から音楽を手がけるヴィーグ・ミハーイが本作にも携わり、”タル・ベーラ スタイル”が確立された記念碑 的作品。罪に絡めとられていく人々の姿を「映画史上最も素晴らしいモノクロームショット」(Village Voice)で捉えている。
ファミリー・ネスト
1977年/モノクロ/105分
わずか22歳で手がけた鮮烈な監督デビュー作。住宅難のブダペストで夫の両親と同居する若い夫婦の姿を、16mmカメラを用いてドキュメンタリータッチで撮影した。不法占拠している労働者を追い立てる警察官の暴力を撮影して逮捕されたタル・ベーラ自身の経験を基にしている。ハンガリー批評家賞の新人監督賞、さらにマンハイム国際映画祭でグランプリを獲得した。
アウトサイダー
1980年/カラー/128分
ブダペストの映画芸術アカデミーに在籍中に製作された長編2作目。社会に適合できないミュージシャンの姿を描いた、珍しいカラー作品。タル・ベーラは本作に対し、「当時のハンガリー映画に映っているのは嘘ばかりだった。本当の人々の姿を撮りたかった。これは映画に対するアンチテーゼだ」と語っている。
監督・脚本:タル・ベーラ
脚本:クラスナホルカイ・ラースロー(『ダムネーション/天罰』)
撮影監督:メドヴィジ・ガーボル(『ダムネーション/天罰』)
音楽:ヴィーグ・ミハーイ(『ダムネーション/天罰』)
編集:フラニツキー・アーグネシュ(『アウトサイダー』『ダムネーション/天罰』)
配給:ビターズ・エンド